12月の新東宝(って今頃!)

 

12月NECOで放送した新東宝『嵐に立つ王女(1959)』 デス。戦時中、陸軍中尉でモンゴリアン王国の侍従をしていた宇津井健。終戦後、自動車のセールスマンをしている。夜の街で露天商をしている高倉みゆきと偶然、再会。高倉は終戦時に亡んだモンゴリアン王国の王女だったが、戦乱で行方不明となり記憶喪失。宇津井は記憶を取り戻すために献身的に尽くす。惹かれあう二人。記憶を取り戻す高倉。王国再建するためにはスイス銀行に眠る財産が必要。財産を管理する調査員・沼田曜一と王国の殿下・大原譲二が日本にやって来る。財産を受け継ぐには大原と結婚しなければならない。逃避行を考える二人だが、沼田に説得された宇津井は身を引く悲恋モノ。

 モンゴリアン王国という相変わらず無茶な設定(月光仮面のバラダイ王国かい!?)。 宇津井健映画だけれど、目玉は何といっても高倉みゆきだね。みゆきたんはキレイだもんなぁ。大蔵貢が夢中になったのも分かる。『新東宝秘話 泉田洋志の世界』(青心社)によると、高倉みゆきの作品現場には大蔵貢が度々顔を出して、監督を差し置いて演技指導する事もあった。定時が過ぎるとみゆきたんを連れて行ってしまう。大蔵はやる気マンマンだったけど、みゆきたんはその気がない。その気もない男に言い寄られても女は困っちゃうよ。言い寄った大蔵の気持ちも分からないではない(経験アリ)。おそらくこの作品もそうだったのだろう。この作品には、横恋慕してくる金持ちお嬢様役で大空まゆみが出ているのだが、こちらもタマラン。あームラムラする。大空まゆみ・・・大空まゆみ・・・じょんじょろりん!!したーい(変態でスイマセン)。

 同じく12月放送の『皇室と戦争とわが民族(1960)』は新東宝には珍しい総天然色映画。映画史に残る『明治天皇と日露大戦争』と同様、オールスター新東宝実録路線映画。神武東征から、いきなり昭和十二年七月七日芦溝橋事件に飛ぶ。第二次大戦を経て、昭和34年の皇太子ご成婚までを駆け足で描いたこれまた無茶な作品(笑)。この作品での嵐寛寿郎は神武天皇と東条英樹を演じている。