2007年5月〜6月分だーっ!!

 

昨年5月に録画した最後の作品は東映チャンネルで放送した日本の首領 野望篇(1977)

 3部作になるシリーズ物の2作目。和製『ゴッドファーザー』的な作品。この作品に関してはあちこちの映画サイトで取り上げられているので詳細は書かない(長いので書くのも面倒くさい)が、語り口が絶妙なので2時間以上の作品が一気に観られる。
 色々な人物が出てくるのだが、この作品で目を引いたのは看護婦かおる役を演じた金沢碧であろう。金沢碧といえばオイラの世代だとTV『俺たちの旅』でのヨーコ。この作品は『俺たちの旅』の後なのに、髪型が違うせいか印象が全然違っていた。相本久美子風の感じなのにちょっと驚いた。最初誰だが分からなかったよ。

 金沢碧の役は佐分利信の娘婿の高橋悦史が経営する病院の看護婦。東南アジアの軍事国家の首領が来日。接待中に体調を崩してしまう。診察する高橋悦史の助手でやってきた金沢碧は、この首領に見初められてファーストレディになるものの、ラストで謎の死に見舞われる。自殺か? はたまた関東同盟の仕業か? その辺は不明のまま映画は終わる。デビ夫人がモデルなのだろうが、この何でもあり的なところが東映映画の持ち味。

 しかしまぁ、ヤクザは怖いね。絶対に関わりになりたくない連中だ。金沢碧はもともと組のチンピラ・星正人の恋人(良いコなのに何で??)なのだが、人身御供に出すので星正人はあっさり殺されてしまう。ヒドイ。
 組の幹部の藤岡琢也が関東同盟の幹部・小池朝雄に撃たれて拉致されてしまう。モグリの医者に治療させながら内情を吐かせるシーンも怖い。

 ヤクザ組織のみならず一般企業でも組織を維持するのは大変だ。常に右肩上がりでないと潰れてしまう。体調を崩した佐分利信に代わり若頭になった松方弘樹はヤクザなのに東大出のエリート。頭が良いだけでなく判断力、実行力も優れている。リーダーとしての素質充分なのだが、それだけでは下の者はついてこない。情報を関東側に流す幹部・成田三樹夫。組織をはみ出て暴走する菅原文太。そんな連中に翻弄されて企業トップの苦悩みたいなのも感じられた。オイラも親父の亡き後、会社潰したから気持ちは分かる(オイラは無能だから映画とは違うが)。

最終作の『完結編』が観たいな。待っていればそのうちやってくれるだろう。頼みますよ東映さん!!



5月分はこれで終わり、次は6月分。6月は日本映画専門チャンネルで放送した新宿泥棒日記(1969)  のみ。

 これは『新宿68〜76エロスアート革命』と題して、70年前後に新宿を舞台にした作品の特集上映。この作品の他に『書を捨てて街に出よう』、『任侠外伝 玄界灘』等が放送されたようだが、オイラが録画したのは何故かこれだけだった。この手の作品が好きな人にはタマラナイのかもしれないが、オイラにはサッパリ分からない映画だった。状況劇場の芝居が出てくるからアングラ芝居の好きな人には貴重な作品かもしれない。
 こういう時代の息吹を感じさせる作品ってキライじゃないけど、よー分からん物はパスである。あー、でも本人役で出ている佐藤慶と小松方正、渡辺文雄が酔っ払って議論するのは面白かった。演劇とか芸術が好きな人って、議論するの好きだよな。これ台本とかなくて素でやっていたんじゃないの?

 当時の新宿は学生運動とかヒッピーとか熱いのかダルイのか良く分からない、何でもあり的なトコだったと思う。オイラは小学生だったから難しい事は知らん。そういえばあの頃新宿西口行くと、ヒッピーみたいなのがウロウロしていたり、シンナーでもやったのか? 倒れこんでいる奴がいたような記憶がある。東口の広場やあの辺の喫茶店に屯する若者の中には、後に名をなす文化人や芸術家がいたらしいが、これもよー知らん。

6月はこれで終わり。7月はないので次は8月分だ!!