2007年5月のNECO(って今頃)

 

★昨年5月にNECOで放送した東宝 薔薇の標的(1972) - goo 映画を観ました。

 加山雄三はライフル射撃の元オリンピック選手。練習中に友人が暴発事故で死亡、殺人の疑いがかかり引退。ライフルがなければ生きていけない若大将は抜け殻状態でアメリカ。第4帝国極東支部(何だそりゃ?) の責任者・岡田英次に拾われて帰国。岡田とその部下のトビー門口から拳銃指導も受けて殺し屋になる。最後は組織に反逆。岡田英次と刺し違えるまでを描いた作品。

 この映画の若大将は極端に長いもみ上げがトレードマーク。ヘンなの。若大将が岡田&トビーの指導を受けるのだが、名作『紅の拳銃』の赤木圭一郎と垂水悟郎のような師弟愛はなし。特にトビーは若大将の存在が面白くないから度々対立する。
 若大将は香港でカメラマン・ロバートを狙撃。一緒にいたのがロバートに育てられた李玲玲(チェン・チェン)。若大将はスコープに写ったチェン・チェンに一目惚れ、日本で運命的に再会、恋に落ちる。最後はトビーの罠にはまりチェン・チェンを誤射。殺してしまうのだが、スコープに写った姿が忘れられななんてアンタも好きねぇ(笑) 銃器に魅せられた・・・要するにメカフェチらしい惚れ方だ。チェンチェンとのデートシーンも街をぶらついたり、SLを見物したり。このシーンが結構長い。環境映像ふうの長いシーンは退屈で眠くなっちゃうよ。
 後半は組織をたたんで逃げようとする岡田英次と対決するのだが、岡田は拳銃の名手。その実力は若大将よりも数段上だが、最後は相打ちに近い形で勝利してエンド。

 西村潔監督&若大将の拳銃アクションといえば、『豹(ジャガー)は走った』がある。『豹は・・・』は緊張感があって好きな作品。しかしこの『薔薇の標的』はダラダラ。他のマニアや評論家先生の意見はどうなっているのか知らないが、間延びしてイマイチの作品だった。期待して観たのでガッカリ。


★もう一本観たのが同じく東宝 非情都市(1960) - goo 映画

 三橋達也がダーティな新聞記者役。特ダネのためなら人も裏切る、恋人(司葉子)をダシにネタを取る。もうやりたい放題の人。銃撃犯人の中丸忠雄を匿って、犯人隠避で逮捕される。事件の裏には財界のエライ人や銀行、新聞社の社長まで絡んでいるらしく命がけで掴んだネタはボツ。会社はクビ。恋人にも去られるまでを力強いタッチで描いた作品。

 鈴木英夫監督作品でダーティな新聞記者というと、石原慎太郎主演の『危険な英雄』があるが、あれは支局に飛ばされるだけで逮捕もされなかったしクビにもならなかった。これはしかしヒドイね。三橋達也も悪党だけど、新聞社もヒドイ。
 ネットをフラフラしてみると、これは実話を元に作られた話らしい。銃撃事件は、ホテルニュージャパンの横井英樹が安藤昇率いる安藤組に撃たれた事件がモデルらしい。原作の三田和夫も映画同様に逮捕されてクビになったそうだ。

まっ、世の中こんなものよ、と思うしかない。強引に・・・司葉子でじょんじょろりん!! で締めておこう(笑)

まだまだ観てない作品が溜まっている。どんどん行かなくては!!