毒男に光あれ!!

 

10月6日(木)、『電車男・もう一つの最終回スペシャル』を観ました。これは電車男・山田(伊藤淳史)のオタ仲間・松永氏(劇団ひとり)が主人公。松永氏は電車男が話題になる前に「ギター男」として掲示板の住人だったという設定。ギター男というのは、出会い系サイトで知り合った女がギターが趣味と聞いて、女の気をひこうとギターの練習をしたことから付いた名前だそうです。冒頭、この出会い系の女(岩佐真悠子)と会うのですが、壊れたギターを300万円で売りつけられてしまう。女は最初から松永氏を騙すつもりだった。女にはチャンと彼氏がいて、松永氏は300万円巻き上げられた上に男に殴られてしまう。
 ちなみに松永氏は名古屋の大地主の一人息子、何も仕事をしなくても年収3000万円。羨ましい。松永氏は電車とエルメスがプロデュースした合コンに参加。メンバーは男性陣は電車、松永氏、オタ仲間の川本氏。女性陣はエルメスの他、同僚の沢崎果歩(佐藤江梨子)、観月裕子(須藤理彩)。裕子は30歳、後がない独身OL。合コンと聞いて意気込むものの来たのがオタクなのでガッカリ。松永氏は、出会い系サイトで知り合った女から壊れたギターを売りつけられてヒドイ目にあった話をする。「騙されてたんです・・・バカですよね、僕みたいなのに彼女出来るわけないのに・・・(ヘラヘラ笑)。」ハズレ合コンにウンザリしていた裕子は、松永氏の胸倉を掴み、「何ヘラヘラ笑ってんのよ!そんな目に合って、何でその女を見返す気にならないわけ。そのギターでラブソングの一つでも作ってもっと良い女口説けば良いじゃん!」今まで女に相手にされたことの無い松永氏はこれで裕子に惚れてしまう(悲笑)。裕子も松永氏が大金持ちと知って金目当てで近づくのだが、女に騙されたのがトラウマになった松永氏は怖くて会えない。メールのやり取りだけというオタクぶりなのが笑える。

 電車男や松永氏の話に連動して、ネットの住人・阪神ファンの牛島(六角精児)の話が進む。牛島は馴染みのコリアンスナック(店名・華阪神・・・かはんしん・・・笑)のホステス・ティファニー(ソニン)に惚れてしまう。ティファニーから「牛島さん、好き。」と言われヤニ下がる。そして、どうしても必要と言われ200万円渡してしまう。電車がエルメスを救った晩、牛島はティファニーへのプレゼントに指輪を購入、プロポーズを決意する。翌日の晩、店に行くとティファニーは消えていた、ショック!!数日後、また店へ。同僚ホステスから話を聞くと、歌舞伎町で働いているらしい。「絶対に男がいるよ。」と言われガッカリ。店を出ると、強面な男二人(一人は小川直也)が待ち構えている。200万円は良くないところから借りて作ったものらしい。殴られた上に指輪まで取られてしまう。傷だらけの牛島が帰宅すると、一度はエルメスにフラレタ電車が再び立ち上がる、という書き込みに勇気づけられる。

 松永氏は電車男がアキバでエルメスに告白、結ばれたという書き込みに触発され、ギター男として掲示板に復活。裕子に告白する事を宣言する。何と告白場所まで書いてしまう。「明日19時、東京ドームの掲示板で意中の女性に告白する事を宣言します。」ネットの住人たちは「ギター男、何故そこまで自分を傷つける。」「お前を突き動かす、その力は何なのだ?」松永氏は答える。「私は電車から学びました。どんな逆境にも屈しない姿勢と何があっても愛する人を信じぬく心を。」松永氏は薬師丸ひろ子のファンらしい。「セーラー服と機関銃」がBGM(笑)。「・・・愛する人を信じぬく心を・・・」牛島はこの言葉に動かされ、深夜バスで東京へ行く。この時のBGMはCCBの『ロマンティックが止まらない』のには笑える、いや泣ける。歌舞伎町で店のチラシを配っているティファニーを捕まえる牛島。ティファニーは歌手になるのが夢だった。200万円は契約金だったらしいのだが、これはお約束の詐欺だった。騙されたティファニーは働いて200万返すつもりだったらしい。ティファニーに告白する牛島の台詞も泣ける。

「俺は金も無いし、見た目もこんなのだし・・・阪神タイガースの優勝だけを願う男だ・・・チクショウ何言ってるんだ。上手い言葉が見つからないよぉ・・・お前じゃなけりゃダメなんだ。俺が幸せにする・・・だから・・・傍にいてください。」

ティファニーは「はい。」と答える。思いが届いた牛島は「勇気をくれた仲間の所に行く。」と言い残し、東京ドームへ。7時、電光掲示板前にはネットの住人たちがズラリ。牛島が到着したところにスクリーンには松永氏が映る。東京ドームを借りきったらしく、ドーム内には松永氏とカメラを回す川本氏だけ。ギター男として、松永氏が裕子へのラブソングを歌うのだが、これがヒドイ歌。ネットの住人たちはオタク指数満点の松永氏を見て、「これはヒドイ。」歌う歌声もヒドイ。

歌詞が♪・・・君と出会ったのは、とある合コン。第一印象からかなり萌えたよ。もうすぐ秋が終わる。秋刀魚の季節が終わる。だからその前に言っておく。僕は君が好き。心から君が好き〜!・・・♪

 あまりにヒドイ歌なので、みんな帰ろうとする。裕子も果歩と帰ろうとする。そこへ牛島が叫ぶ。

「昔ギター男という典型的なオタクがいた。そいつは今まで誰とも付き合った事が無くて、出会い系で知り合った女に300万円騙し取られて、もう恋はしないと誓った。それでもあなたと会って立ち直ったんだ。あなたに思いを伝えるために立ち上がったんだ。だから、ド下手な歌だけど、最後まで聴いてやってくれないか。」

掲示板に映るギター男を観て感動したのか?、裕子は松永氏の携帯にTEL。「今度の日曜日、メシ奢れ。」思いが届いたのだ。川本氏と「やったぁ!!」歓喜の叫びを上げる。

 

現実にはこんな事はない。こんな事をしたら、女は思いっきり引いてしまうだろう。牛島の場合も同様だ。金だけ取られてそれで終わりである。結ばれる事などありえない。これもオタクのファンタジーなのだろう。それでもこの『ギター男』の話は本家の『電車男』よりも面白かった。特に牛島がティファニーに告白するシーンやドームの掲示板のシーンなどは不覚にも泣いてしまいました。「キタ━━━━()━━━━ッ!!」って奴でした(笑)。惨めだったり、悔しかったり。オタクはカッコイイ事には縁がない。日常生活は退廃と倦怠に溢れている。ドキドキしたり、ウキウキしたりなんて感覚はもう何年もしていない。それがオタクの現実である。ドラマの前半は騙されたり殴られたり、そんな部分が誇張されてはいるものの描かれていたのには好感が持てました。おまけに牛島がネットを終えて床に付くシーンにはビックリ。牛島は電気を消してパソコンの前で毛布を被って寝るのだ。ベッドは勿論無い。布団すら敷かないのだ。オイラもパソコンの前で眠ってしまう事が多い。そんなオタクは案外多いのではないかなぁ!わずかなシーンだったけど、良く出来てました。

 ラストはエルメスと温泉に泊まりに来た電車。エルメスに誘われて混浴に行くところで終わる。手をつないで混浴に行くとは・・・エルメス積極的!!!主導権は完璧にエルメスが握ってるな。羨まし過ぎるぞ、この野郎!!美咲ちゃん、オイラのあそこも握ってくれ!!(この変態が!!)