映画は後を引かないのがイチバン!

 

昨日はまたまたラピュタ阿佐ヶ谷に出撃! 17時からの『恋の季節』 鑑賞してきました。平日の夕方の上映なのに観客は10数人いた。あんたら仕事はどうした?(笑) 

 ご存知ピンキーとキラーズの大ヒット曲を主題歌にした作品。この頃スゴイ人気だったのは憶えている。ピンキラの面々がバスに乗って旅をするTVドラマ(『青空に飛び出せ!』かな?) も何となく記憶しています。この歌が流行っていた頃オイラは小学生でした。当時よく口ずさんでいました。
 映画の方は奈美悦子主演。ピンキラの面々は出ているけれど、随所に出て歌を歌うだけ。奈美や妹役の早瀬久美がテレビを付けると出てきて歌ったり、スキーに行くと偶然にも同じロッジに雑誌取材で来ていてまた歌ったり。本筋には絡んでこないけどやたらと出番が多かった。おそらく撮影当時は殺人的な忙しさだったと思う。
 今陽子を調べたら、1950年生まれ。あの頃まだ10代だったのか。当時は大人に観えたけど、今回観なおしたらたしかに10代かな、と納得。映画の中では実際と同じピンキー役。人気歌手だが高校生。奈美とは仲良しクラスメートという設定。忙しくて勉強も間々ならず、試験の時は奈美にカンニングさせてもらうというダーティぶり(笑) 。先日亡くなったミッキー安川氏が教師役でチョイ役出演していた。

<おはなし>

 奈美悦子は高校3年生。就職も決まりピンキーと受けた追試験も何とか通過。あとは卒業するだけ。誘われて参加した大学生のダンスパーティで工学部学生の森田健作(ニュースターの肩書きあり) と知り合う。真面目な学生かと思ったら奈美を車に連れ込んで迫る。逃げ出す奈美。鍵のかかっていない乗用車に逃げ込む。車は大会社の部長の入川保則のもの。入川は社長・内田朝雄の娘・松岡きっこと婚約していた。近々常務に昇進。次期社長の座が約束されている。しかし松岡は社長令嬢らしくワガママ。嫉妬深い松岡に辟易気味。入川はエレベータガールや女子社員と関係していたプレイボーイ。奈美も自分はプレイガールで、金持ちの娘だと見栄を張る。

 奈美の嘘はやがてバレるが、惹かれあった二人はデートを重ねる。しかしプレイボーイ&プレイガールいうことなのでお互いに素性は明かさない。しかし入川は奈美が春から自分の会社に入社してくる事を知る。婚約中の入川は悩む。別れ話を切り出す入川。本当は別れたくない二人だが、お互いに遊び人と見栄を張っているのであっさり別れる。「お互いにどこで逢っても知らない顔をしよう」 と約束、コーヒーで乾杯して別れる。

 春、入社して常務室に新入社員の挨拶に行った奈美は入川が常務だと知り愕然。ショックの奈美は他の社員たちの前で泣き出してしまう。松岡にも知られる事になる。松岡は奈美をクビにするように命令するが入川は拒否。しかし奈美は会社を辞める。入川も婚約は解消。会社を辞めて知り合いの商社に転職。ブラジル行きを決める。奈美は入川を追ってブラジル行きを決める。ブラジルに旅立つ入川を追って空港に行く奈美。

 松岡は改心して家を捨てる覚悟。入川と寄りを戻す。松岡があとからブラジルに行く事を知った奈美は入川には逢わずに空港を後にする。傷心の奈美を出迎える森田。主題歌が被ってエンド。

                

今さらこんな事を書くのはあれですが、この頃の奈美悦子は高樹蓉子的な顔立ちで特定しにくい顔。メンコイのだけどもう一つインパクトに欠ける(失礼) 。 絡むシーンは少ないけれど森田健作と早瀬久美が共演しているのはウレシイ。映画の出来はどうという事もない平凡なもの。良い大人の入川、プレイガールを自称する奈美。それなのに体の関係にはなっていない。キスどまりであるのは子供じみた恋愛。しかしピンキラの歌はバッチリ楽しめる。この辺はさすが井上梅次監督。軽い作りで感動はしないが、後を引かないトコは好感が持てる。

 公開当時、日曜日にフラッと映画館で観る人が多かった(と思う) のだからヘビーなのはダメ。悲しいのは論外だ。感動しても数日後を引くものもNGだ。月曜からの仕事や勉強に影響するからね。観ていて楽しいもの。歌があって後を引かないもの。せいぜい引いても風呂に入ったら忘れてしまう程度の作品が日曜日に観る映画としては理想だと思う。そういう意味ではこの『恋の季節』 は及第点。 出演は他に奈美の母・月丘千秋。父・牟田悌三。部長・柳沢真一。

映画は18時30分終了。まっすぐ帰宅。乗り継ぎも良くすんなり帰れましたとさ。