エロは儚い 6

 

 

4月18日(土) またまたラピュタ阿佐ヶ谷の『60年代幻の官能女優たち』 。この夜は香取環主演の『狙う』 67年56分のパートカラー作品らしいのだが上映されたのは白黒16ミリ版。

 14時にチケットをゲット。13番だったかな。上映終了後、野上正義さんのトークショーがある割りに、売れ行きが前回の久保新二さんの時よりもイマイチのような気がした。大丈夫か? 
 しかしそんな心配は無用だった。21時に入ると場内は満員だった。

 忘れないうちに内容記入。

 


                       

 

(野上正義) とセックス中の香取は3人組の男に襲われる。野上は何の組織だか知らないが、ボスだか大幹部らしい。3人組は、椙山拳一郎、平山雄三、鶴岡八郎。3人は1600万円の現金を奪い、何故か野上の死体と香取を連れて車で逃走。深夜、立ち寄った宿で殺したはずの野上が現れる。幽霊か? と思ったら生きていた。殺しそこなったらしい。香取と逃げようとするが撃ち殺されてしまう。間違いなく死んだ野上の死体を車に積もうとしてパトロール中の警官に見つかってしまう。警官を殺した3人は香取を連れて冬山に逃走。香取は3人を女を武器に仲間割れさせる。金の分け前を巡って疑心暗鬼にさせ最後は殺しあって共倒れ。金を取って逃げようとするがまだ息のあった一人に撃ち殺されてエンド。

 

                       

 

強盗が女を連れて冬山に入る、というのは宇津井健、三原葉子の新東宝『猛吹雪の死闘』 を思い出す。 あれはタイトル通りの猛吹雪でスゴイ迫力だったが、それに比べると雪は降ってはいないし、バックの山にも雪は無い。雪解けの頃に撮ったのかな。とにかく逃走するのにどうして女を連れて行くの? 、という野暮は言いっこなし。ピンク映画だから女は必要不可欠。しかし濡れ場のシーンは大した事は無い。どこがピンクなの? と言いたくなる程度。それでも真面目に作っているので好感が持てる。日活や新東宝のアクション映画の雰囲気。面白かった。

 ピンク映画初心者のオイラは香取環、初めて観た。元は日活女優・久木登紀子。とはいえ相変わらず人の顔が認識できないオイラは久木登紀子、分かりません。スタイルはあまり良くないがムフフな美人。葵映画というのもよー分からん。というわけで帰り際にワイズ出版の『やくざ監督 東京進出』 購入。まだ全部読んでいないが、それによるとこの作品のロケ地は飯坂温泉。脚本も3稿まで行ったが、読んだ鶴岡八郎が「これじゃ日活映画だ。」 、日活アクションはガキ映画。大人の映画ではない・・・と考えていたらしい。そりゃ成人映画だからたしかに大人の映画ではあるけれど、この映画だってそんなに言うほど大人の作品かぁ?

 結局脚本は無しで口立てで撮ったらしい。台詞がヘンな部分もあったけど、キチンと練っていたのだろう。たどたどしい台詞回しもなく良く出来ていた。

                       

 

終了後は野上正義氏のトークショー。この映画では出番も少ないので、トークの内容は西原監督や新高恵子や白川和子等の女優さんたちの話。西原監督は元日本ライト級5位の実力者だったらしい。もっとも戦後間も無い頃の話だから、ボクシング協会も今とは違っていただろう。ランキングもキチンと整備されたものではなかったと思う。
 昔の女優さんたちはハードな撮影にも悲鳴をあげなかったらしい。他に新国劇の連中はピンク映画が好きで、観に行くと歓待されたとか亡くなった向井監督の話もしていた。良い監督は早死にする、とその死を嘆く。元木荘二郎の話もしていた。これも恥ずかしながら知らないので付いていけなかった。

 冬山のシーンだが、当時はこういうのが流行ったらしい。若松孝二監督も『情事の履歴書』 という作品で冬山のレイプシーンを撮っているそうだ。これも未見なのでオイラは知らん。


                       

 

トークショーが終了したのが23時。前述した書籍を購入したので、ラピュタを出たのが23時15分過ぎだったろうか。この日は電車の乗り継ぎがイマイチ。帰宅後バタンキュー。