ひとりぼっちのJOA

 

 今夜のNECOは小百合サマの『ひとりぼっちの二人だが』。舞台が浅草だから昭和37年当時の浅草がバンバン出るよ。松屋の前の交差点。六区の映画街。浅草寺に花やしき。街並みが今とあんまり変わってないのはさすが浅草。一瞬だが早朝の六区映画街を浜田光夫が走るシーンがあるのは貴重な資料映像。伝法院通りも映るがここも今と大差ない。というよりもこの辺は変わりようがない(笑)。

 この映画の小百合サマは17歳だが大人びて見える。坂本九の働く浅草の芝居小屋で小百合サマが裁縫をするシーンがあるが、今の17歳の女の子は裁縫なんて出来るの? 実際の小百合サマは結婚するまで出来なかったそうだ。岡田太郎氏にボタン付け頼まれて出来なかったらしい。それが口惜しくて洋裁学校に通って自分で洋服が作れるまでになったそうだ。さすがは優等生。才色兼備の完璧な女性こそ小百合サマなのだ!

 演技派・浜田光夫も熱演。青春スター、小百合サマの相手役という位置づけの人だが、主演女優を引き立たせる確かな演技力があるからこそ、相手役として重宝されたのだろう。

同じキャストによる前作『上を向いて歩こう』に比べると、インパクトに欠ける出来だが、舛田利雄の職人芸は一見の価値あり。

これ観てたら花やしき行きたくなったヨ。でも独りで行ってもねぇ(涙)