格闘技雑誌今昔

 

80年代も中ごろを過ぎると格闘技雑誌の創刊ラッシュが始まる。ざっと思いつくまま書くと下記の雑誌が書店に並んでいた。

・『格闘技通信』(『週刊プロレス増刊』から誕生)
・『ゴング格闘技』(『月刊ゴング』がリニューアル)
・『フルコンタクト空手』

 周知のように上の3誌は健在。この3誌が出揃うまで・・・80年代初頭までは『月刊ゴング』しかなかった。あの頃は情報に飢えていた。東スポやデイリースポーツが不定期で扱うくらいしか情報を得る手段がなかった。

2〜3号だけ出て消えたのが下記

・『格闘技界』
・『ザ・ストロング』

上の2誌は短命だった。86〜87年頃だと思う。


結構続いたのが下記

・『リアル・ファイティン』

 『リアルファイティン』はスポーツライフ社(まだあるの?)が出していた。最初は『マーシャルアーツ』という誌名でキックボクシング雑誌だった。創刊されたのは82〜83年頃だろうか。季刊誌で紙の質も良かった。カラーページも多かった気がする。何より80年代前半はキック冬の時代である。この時代に季刊とはいえ専門誌がでるなど考えられない事だった。あの頃オイラは学生で、不定期だが後楽園ホールで行われるキック興行には欠かさず通っていた。休憩時間に売店で売られていたのを発見、購入したのがファーストコンタクトだ。
 この雑誌は何号くらい出したのだろう? 季刊だから10号くらい出したのだろうか?(もう憶えていない) 途中から誌名が『リアルファイティン』に変わった。キックだけでなく格闘技雑誌になったと思う。いつ頃無くなったのかは不明だが、ネットで調べたら90年代前半まではあったようだ。その頃はオイラの熱も冷めてしまっていたのでどうなったのか不明。

 マニアックなのでは真樹プロダクションが出していた

・『現代カラテマガジン』

 これは真樹日佐夫“先生”率いる真樹道場の他、友好関係にあった士道館や佐藤塾、百蓮会館、誠心会館、等々を取り上げる雑誌だった。K1開催前の正道会館も取り上げられていた。取次店を通していないらしく書店売りはしておらず、真樹プロの通販で購入。書店で買うには神保町の書泉グランドの格闘技コーナーまで行かなくてはならなかった。他でも売っていたのかな?? その辺は不明。空手以外では真樹道場が加盟しているMAキック連盟の記事も掲載。面白かったのは真樹先生の書いていた『黒帯交遊録』と佐藤塾塾長・佐藤勝昭氏の『私の履歴書』だった。 これもネットで調べると、72年〜88年まで発行されていたようだ。
 『現代カラテマガジン』は70〜80年代にフルコン空手を愛好していた人の間では伝説的な雑誌である。この雑誌の話をすると遠い目をする人が多い。通販が基本だったので遅配することも多かったそうだ(笑)。

 あの頃の格闘技の世界は情報公開がされていなかった。雑誌で得る情報の他は、試合会場や道場生からの情報&噂話。これに尾ひれが付いて広まって行くという具合だった。だからこそ独特の“いかがわしさ”が漂っていて面白かった(観ている分にはネ)。現代ではインターネットが普及したおかげで、そういう“いかがわしさ”が消えてしまった。やる側にしたら良いことだけど、観る側からすると非常に残念!!

 上に書いた雑誌のほとんどは持っていました。置く場所もなく熱も冷めてしまったので、10数年前に格闘技オタク仲間の
Tさんに譲ってしまった。今から考えると勿体ない事したかな。でもまぁ良いや。暑苦しい格闘技選手の顔など見たくもない(笑)