第8話 オシャレな街になりました。 |
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川崎である。60〜70年代の現代ヤクザ映画では広島と並んでよく舞台になった街である。神戸や横浜のような異国情緒はなく、浅草のような下町情緒もない(六区は川崎っぽいけれど・・・)。どこか殺伐として、街のあちこちでチンピラがとぐろを巻いていたり、繁華街にはゲロがぶちまけられていて饐えた匂いが漂ってきそうな無法地帯、東京と横浜の中間辺りに位置する中途半端な場所。そんな印象があった。(実際は違うけどね。)だからこそ現代ヤクザ物や実録物のヤクザ映画の舞台に頻繁に登場したのだろう。現在の川崎駅周辺は再開発されていて、70年代の面影はほとんど無くなっている。チネチッタのような複合型の映画館があったり、クラブチッタのようなイベント会場があったりと、なかなかオシャレな街に生まれ変わっている。川崎銀星座は川崎駅東口を出て、正面の通りを第一京浜方向に歩く。7〜8分歩くと右側にある
さて川崎に来たのは良いが、例のごとく場所を憶えていない。再開発もされて街の風景も一変しているので、どこにあったのか見当がつかない。銀映会商店街入り口左側に靴屋があった。中には年配の店主の姿が見えた。早速、聞きこみである。で、教えてもらったのが2枚目の写真である(ちょっと暗いけど・・・)。いつ無くなったのかは不明。おそらくは90年前後だと思う。80年代後半くらいまでは『ぴあ』に載っていたような気がするからだ。小さくて、座席も内装も汚い場末の映画館だった。客席が階段状になっていた気がする。名画座なんて気の利いたものではなかった。お客さんも労務者や邦画オタクみたいなのばかり。邦画ヤクザ映画主体のプログラムが多かったので女性客は皆無であった。その辺は浅草的である。 |