カッコイイぞ、抜き射ちの竜

 

今夜NECOで放送『拳銃無頼帖 抜き射ちの竜』。ダイヤモンドラインの一角として大出世したばかりの赤木圭一郎。この人はホントに良い役者さんだ。20歳にしては老けている。まだ演技は堅いが、スターのオーラビンビンだ。竜の使うコルトウッズマン、カッチョ良い!!  新スターの主演シリーズ一作目ということで、脇を支える役者さんが豪華! 
 西村晃扮する三国人のボスは紳士ズラしているが、抜群凄味。足を洗おうとした竜を説得する台詞は秀逸。普段は銀座一を自称するコックだが、実は組織の幹部・藤村有弘。相変わらず怪しい三国人役はこの人の十八番だ。敵対する組織のボス二本柳寛は日本人離れしたダンディなオジサン。他にもじょんじょろりん!! したくなる香月美奈子。麻薬で落ちぶれた弟分のボクサー・沢本忠雄。出番は一瞬だがジムのトレーナー役は衣笠一夫。この人晩年は日本系キックボクシングの名物リングアナだった。他にもヤクザ・両刃の源役で高品格。
 ヒロインは人形のようにメンコイ!!浅丘ルリ子しゃん。この頃のルリ子しゃんはホンッッッットにキレイだ。この映画のときは20歳でしょ。若いコ苦手のオイラだが、この頃のこの人は別!! 同じ20歳でも昔の女優さんって、今の人に比べると格段に大人に観えるのは何故? ルリ子しゃんの兄貴で麻薬取締官役に昨年亡くなった草薙幸二郎。そしてそしてライバル役は後の世界早撃ち第3位・宍戸錠。良いねぇ。
 赤木圭一郎は雰囲気は抜群だが、歌は下手だし演技は大根。この映画で主演スターになったものの、一年後には事故死してしまう。彼にとってこの一年間は何だったのだろう?? そんな事を考えている暇もないほど目まぐるしかったはず。日活と言う会社自体もこの頃が最盛期。一番良い時代を駆け抜けて逝ってしまった。生きていたら、どんな役者さんになっていたのか? この人を観るたびに考えてしまう。

 大根のトニーに比べて、錠さんは色々練られた台詞や演技を工夫した感じがある。

「俺のツラに色を付けたのはお前で3人目だぜ。前の二人は墓の下でオネンネしてらぁ。」
(ニヤッと笑う)

「オメエを他の奴に殺させたくないのさ。卑怯な手でな。」
(陳腐な台詞だがこの人が言うとサマになる)

最後に「恋人によろしく。」
(ピストルを撃つようなしぐさをして死んでいく)

 この映画の本当の主演は宍戸錠なのではないか? 今日20年ぶりに見直してそう思いました・・・いやいややっぱりルリ子しゃんです。女優至上主義のオイラにとっては男優なんてどうでも良いのだ。
ルリ子しゃんでじょんじょろりん!!(またこれかよ)。