買ってはいけない!

 

 

先週、深夜零時過ぎ。飲んだ帰りに時々立ち寄る飯田橋のラーメン屋。店内に入った途端、「賀津!」と声をかけられる。誰かと思ったら、かつて世話になったエロダクション・漫画屋社長の塩山芳明氏だった。忙しいのだろうか? 今夜は泊まりらしい。挙動不審なオイラをバッチイものでも観るかのようにして、そそくさと去っていった。しかし相変わらずの毒舌ぶり、去り際 「てめえ、本買えよ。」 そうなのだ。塩山氏は『東京の暴れん坊』というエッセイ&コラム集を出したのだ。小林旭主義を標榜する塩山氏は、図々しくもアキラ映画の名作タイトルをパクって本を出したのだ。仕方ないから、紀伊国屋本店で買っちゃいましたよ。いや・・・買って上げましたよ(満足でしょ)。

 

健全な映画マニアの方々、タイトルに騙されてこんな悪書を買ってはいけません。たしかに映画評のページもあります。日活関係では渡哲也や松原智恵子に関する記述もありますが、この本は通常の映画評論にあらず。罵倒&毒舌のオンパレード。本人も嫌われ者を自覚しているようですが、その通りでしょう。内容はあちこちのカストリ雑誌に書いた雑文に加筆したものですが、目玉は、若くして亡くなった文筆家・菜摘ひかるに関するページでしょうか。
 オイラは代表作『菜摘ひかるの性的冒険』を書籍化されたものは勿論、ネットで公開されたものも読んでいました。この人の生々しい文章には「やられた!」 打ちのめされるような衝撃を受けた記憶があります。そんな天才のきらめきを持った菜摘嬢との交流を持つ塩山氏。チョイとばかり羨ましい。

この人を見るといつも思うのだが、人を罵倒&恫喝してばかりの日常を送る塩山氏。ストレスなんて皆無だろうな。

 11月30日(金)の昼間。仕事中に寄り道。某ターミナル駅前の本屋を覘きました。映画関係の書籍が充実している店なのですが、何と! この『東京の暴れん坊』が映画コーナーに平積みされていました。それも佐藤利明さんの『映画監督 舛田利雄』と小百合サマの『夢の続き』にはさまれて置かれていたのです。この本屋さんも何を勘違いしているのやら。舛田監督の本は構いませんが(佐藤さんゴメンなさい)、どうして小百合サマの隣に!? 

「小百合サマが汚れる。(東映『暴力教室』の南条弘二風に)」

店長を怒鳴りつけてきました(勿論、心の中で・・・笑)。