健さん、カッコイイ!!

 

現在、池袋新文芸座で上映中『孤高のスタア 高倉健』  。日替わり上映なので、観たいのがあるととにかくその日に行かなくてはならない。

1日(月) 『いれずみ突撃隊』 、 『花と嵐とギャング』

3日(水) 『ならず者』 、 『東京ギャング対香港ギャング』

鑑賞に出撃!

 1日は午後から、3日は夕方から行ったのだが、結構客が入っていた。年配者が多いが、若い客が意外に多いのに驚く。健さんの人気は不滅なのだ。

 周知のように上の4本は石井輝男監督作品。全て映画サイトやブログ。ミクシィの日記等で取り上げられているし、鑑賞から数日経つと、書くのも面倒くさくなる。


『いれずみ突撃隊』 

 東映石井輝男版“独立愚連隊” とも言える作品。部隊長が浅草ヤクザの親分の息子の安川中尉(杉浦直樹)。杉浦の男気に惚れた健さんは部隊長を“兄貴!” と慕い、“安川一家” の若い衆として張り切る。慰安所のNo.1が朝丘雪路。他に慰安婦役で出ていたのが三原葉子。この人がいないと石井監督作品ではないよ(笑) 。他に千代郁子の姿も見えた。最後は皆死んでしまう。戦争映画とはいえ、いきなり撃たれて死んでしまう。一人生き残った健さんは、敵部隊に褌姿で殴りこんでエンド。朝丘と結婚前の津川雅彦も新兵役で出演。朝丘に惚れるも童貞のまま戦死してしまうのも印象に残る。全員死んでしまうのは悲しいけれど良い映画。


『花と嵐とギャング』 

 刑務所から出所した香港ジョー(鶴田浩二) 。鶴田浩二の家族はヤクザ者ぞろい。母・清川虹子、妹・小宮光江。弟・小川守。小宮の旦那が健さんで役名がスマイリー健(笑) 。小宮はツンパ(沖竜二) の誘いで銀行強盗を計画する。メンバーは健さんと小川の他、楽隊(江原真二郎) 、楽隊の女を横取りしたウイスパー(曽根晴美) 。もう一人いたと思うが忘れた。強盗は成功するが、金の奪い合い、騙しあいで殺し合い。最後に生き残ったのは健さん、小川とその情婦・新井茂子。洒落たギャング映画で面白かった。石井監督には東映ではなくて新東宝時代にやって欲しかった。


『ならず者』

 健さんの役は香港に仕事で来た殺し屋。仕事を済まして指定されたホテルに金を受け取りに行くとベッドには女の死体が。依頼主にはめられた事を知った健さんが黒幕の阿部徹を探し出して復讐する話。

 香港の裏街は『黄線地帯』 のカスパを彷彿とさせた。勿論あちらはセットだけど、こっちはモノホンの香港。麻薬組織のボス(丹波哲郎) 、Gメン役が杉浦直樹。野郎はどうでも良い。女優陣がタマラン。丹波を裏切って撃ち殺される三原葉子(痩せて見えてスゲ〜キレイ) 。横浜の売春婦役で加賀まり子がチョイ出ている。今も美人だが若い頃はキュート!! 、肺病の売春婦の南田洋子が美しい。現在は認知症だが、この頃は宝石のように輝いている。

健さんは仕事が済んだら南田洋子と日本に帰る約束をする。阿部徹の用心棒に撃たれ傷を負いながらも勝利。阿部を撃ち殺すものの死んでしまう。駆けつけた杉浦。警察の車に乗せられて運ばれていく途中。スーツケースを下げ待ち合わせ場所に立つ南田の前を通り過ぎる、切ないラスト。これも面白かった。健さんの殺し屋姿もカッコ良い。丹波哲郎と殴り合って和解。男の友情も良かった。杉浦直樹の「今度あんたの縄張りでまた会おう」 こちらのやりとりもカッコ良かった。


『東京ギャング対香港ギャング』

 麻薬密輸をめぐって東京と香港の暴力団の対立を描いたギャング映画。 香港の組織は石山新二郎がボスの組織と丹波哲郎の組織がある。最初東京ギャング側は石山の組織と取り引きをしていたようだが、石山が売り渋りだしたため健さんが買い付けにやってきたのだ。健さんは現地の言葉も流暢。機転も利いてカッコイイ。自称ガイドとして近づいてきた内田良平。内田は丹波哲郎の片腕。丹波と取り引きをする。取り引きは完了するが、石山の組織に狙われる健さん。薬は丹波の紹介で横浜に出稼ぎに行く踊子(三田佳子) に託して殺されてしまう。

 東京ギャングのボスは阿部徹。薬は東京に乗り込んできた石山たちに強奪されてしまう。幹部の鶴田浩二が香港に飛ぶ。鶴田と丹波は戦友だった。丹波は内田を連れて東京に来る。鶴田は健さんの遺骨を引き取り帰国。妹の本間千代子に渡すが、麻薬の禁断症状を起こしてしまう。ヤク中が組織にバレて鶴田はクビ。殺されかけるが丹波に救われる。強奪された薬をめぐって二つの組織が撃ち合い殺し合い。丹波は香港警察の捜査官。丹波の腕の中で鶴田は死ぬ。丹波の手引きで警官隊がやって来てエンド。

 前半は健さんが香港の街で颯爽と大活躍。これだけでオッケー! 内田良平もカッチョ良い。後半からは鶴田浩二が主役・・・なのだが麻薬中毒かよ。そんで丹波哲郎が麻薬捜査官とは・・・美味しいところをみんな霊界の宣伝マンに持って行かれてしまった。さすが!!  前半と後半で二部作って感じの作品。

『ならず者』 と『東京ギャング・・・』 の二本は香港ロケが見事。他の街も出ていたようだが、よー分からん。