血管詰まるゾ

 

12月はもう一本、大映『脂のしたたり』(1966)も観ました。

 田宮二郎は八代証券の調査員。農作機会を作る弱小会社・明昭工機株を買い漁る謎の女・富士真奈美に興味を持った田宮は独自の調査を開始。買占めの黒幕は三国人の金子信雄がボス、成田三樹夫、守田学、須賀不二夫の4人組。明昭工機は戦前は武器を作っていた会社。金子たちは明昭を乗っ取って武器を製造、政情不安なアジア地域に売りさばこうとしていた。田宮は情報屋の鈴木瑞穂と協力して、買占めの全貌を掴むが鈴木は殺されてしまう。更にかつての恋人で、鈴木の情婦になっていた久保菜穂子も殺されてしまう。金子たちは田宮も殺そうと画策。富士は田宮をおびき出す。富士真奈美は終戦の二日後、青島(チンタオ) で両親を金子一味に殺されていた。復讐のために金子の情婦になっていた事を吐露。成田の待つ小河内ダムへ車を飛ばす田宮と富士。成田はここで田宮を殺すつもり。成田の銃が田宮を狙う。危機一髪、富士は成田を撃つ。成田を問い詰めて、両親を殺したのは金子一味だったと自白させる。成田を殺そうとする富士を田宮は止めるが、富士は成田を撃ち殺す。田宮を置いて、車で東京へ行ってしまう。置いてきぼりの田宮は通りがかったトラックに乗って後を追う。田宮が金子の屋敷にたどり着いたときは、富士は金子、守田、須賀を射殺した後、薬を飲んで自殺、田宮の腕の中で息絶える。事件後、証券会社をクビになった田宮は、後輩の山下洵一郎に「俺は兜町で生きていく」 宣言をしてエンド。


 黒岩重吾原作の企業アクション。血管が詰まりそうなタイトル(笑) 。オイラはドロドロ血なんだから、こんなタイトル見せられただけで脳溢血起こしそうになるヨ。『黒シリーズ』 のような緻密な陰謀があるわけではないが、語り口が巧みなため一気に観られる秀作。この手の作品で監督が田中徳三って珍しい。最初は増村保造か井上昭かと思った。この作品の成田三樹夫はコワイ。無表情で簡単に人を殺す。クビを突っ込んできた田宮に
「株屋は手数料だけで儲けていれば良い。下手に手を出すと火傷する。それが命取りになる。」
手下に命じて、ヤキをいれるシーンなど田宮一人にチンピラ7人。問答無用で取り囲む。袋叩きにしてしまうのは結構リアル。田宮が決してアキラ映画のようなスーパーマンではないところは好感が持てる。超人ではない田宮だから、クライマックスでは富士真奈美が悪党一味を殺してしまう。終盤まで凄味を見せていた成田が、富士に撃たれて情けなく命乞いをしてしまうのは残念。

 女優陣も良い。久保菜穂子と富士真奈美。二人とも色っぺぇ〜!!もうたまんねぇよぉ〜!! 久保菜穂子は新東宝時代から惹かれる。こういう大人っぽい女優さんは大好きだ。昭和7年生まれだから、この映画の時は34歳か。女優さんッてのはこのくらいの年齢が一番、心技体充実しているような気がする。富士真奈美も良い。オイラの世代では『細腕繁盛記』 のまさこ役なのだが、この人も美人だもんなぁ。松尾嘉代的な、男の精を搾り取ってしまうような色香を感じてしまう。搾り取られてみたい(アホか) 。ああ・・・もう・・・じょんじょろりん!!した〜い(って昼真っから) 。

 田宮二郎は証券マンの役だから、アクションが少ないのは仕方ないけど、この人は運動神経抜群だったらしい。もう25年位前になる。某老舗ボクシングジムのトレーナー氏から話を聞いたことがあります。この人は田宮二郎にボクシング指導をしたことがあるそうです。
「あいつ(田宮)は空手やってたらしく、(ボクシングの)センスは良かった。役者ってのは人に見られることに慣れているせいか、チョッと教えるとすぐにフォームを自分の物にすることが出来る。」
田宮二郎は学習院の空手部だったらしい。強かったなんて話を読んだことがあるけど、ホントなのかな?『月刊空手道』 や『JKファン』 を定期購読しているけど、学習院空手部なんて聞いた事がない。ネットで調べたらここは学連にも加盟していない。組手の試合もしていないようだ。これでは少林寺拳法じゃねえか。拍子抜け!(関係者の方、スイマセン) 。
 しかし田宮二郎のセンスはオイラも認めます。ボクシング映画『貴様と俺』(1966) では良い動きを見せていた(そういやトレーナー役は成田三樹夫だった) 。松竹で撮った小村刑事、通称コブラの活躍するシリーズでの空手アクションも結構良かった。相手役は山本陽子だった。この人もじょんじょろりん!! したい一人だ。この人のことはまたそのうち、別スレで(いい加減にしろ!) 。