孤独に戦うヒーロー物を作ってくれ!

 

19日水曜日、新宿バルト9で『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』 『侍戦隊シンケンジャー』 観て来ました。 昼間の上映はガキばかりだろう。20時50分からの最終回に行く。空いているかと思ったら、メチャ混み。オイラと同じようなオタク野郎ばかりでむさ苦しいったらありゃしない。

 映画の出来は・・・まぁ普通かな。2本あわせて90分くらいなんだけど、『シンケンジャー』 が25分くらい。あとは『ディケイド』 だった。そりゃ別に構わないんだけど、ライダーも全部そろうと30人近い。その分ショッカーも“大”ショッカーで数十人だから数だけは負けていない。しかしこうなるともう乱闘だね。初期の本郷ライダーの時のような「ヒーローは人知れず孤独に戦う」 から完璧に外れている。戦隊モノもそうだけど、“個人戦はからきし弱いが、団体戦は強い” 日本人を象徴している感じがしてならない。

 おまけに前半では最強のライダーを決めるライダー同士のバトルがある。アマゾンやV3とか往年のライダーたちとの戦いがあるのだが、ヒーロー同士で戦うんじゃねえよ! しかもTVゲームのような扱いなのだ。TVシリーズで1年間平和のために戦い続けてくれたヒーローたちがゲームのキャラのように戦って消えていく。納得できない物を感じた。

 ネタバレになってしまうけど、『ディケイド』の放送は今月一杯で終了。9月からは『仮面ライダーW』 になる。その宣伝も兼ねているのか、クライマックスで乱入してくる。シャドームーンをぶっ飛ばしただけで去っていく。おいおい美味しいトコ取りかよ。来月からの放送を観てくれ! かい? 『マジンガーZ対暗黒大将軍』 でのグレートマジンガー状態だ(笑) 。

 閑話休題(笑) 、随分前に雑誌で藤岡弘、氏が「平成ライダーでライダー同士が戦う事」 を快く思ってない心情を吐露していた。

「大人が自分たちの正義に自信がないからこういうモノを作ってしまう。こんな物を子供に見せたら、子供たちも正義と言うものに疑問を持ってしまう。」 

 当時の雑誌は紛失してしまったが、こんなようなことを仰っていたと思う。 東映さんに言いたい。初期のライダーのように、孤独に戦うヒーロー物を作ってくれ!

 多くの子供が最初に夢中になるTV番組はこの手のヒーロー物。正義とか弱者を守る心情をこの手の番組で学ぶのだ。だからこそここはビシッと、正義とは? いや大上段なことは言わないし言えないけど、独りで戦うことで男としてのあるべき姿を教えるんじゃないの? 大人になって家族のため、大事な人のため、守りたい人のために働く心を学ぶんじゃないの? 昨今の陰湿なイジメ・・・イジメは昔からあるけれど、そういう事をする野郎は少年期にヒーローから何も学んでいないのだろう。でも今のヒーローはすぐにツルみたがるから、現代のヒーロー物は教科書にもなりゃしない。
 世のお母さんたちのためにイケメン役者を起用。お父さんたちのためにカワイ子ちゃん(死語!) を出すだけ(オイラのためにエロイ姉ちゃんもだしてくれ!) 。一人の怪人を5人がかりでリンチする戦隊モノ(これは平成ライダーも同様) 。ライダーに至ってはライダー同士で争う。イジメられっ子だったオイラには、弱い者イジメを助長する乱闘騒ぎにしか見えない。

東映さんよぉ、儲かりゃ良いんだろうけどさぁ・・・ちったぁ考えろよ!!