心はいつも渡り鳥

 

昭和30年代『渡り鳥シリーズ』が人気だった頃、土曜の夜になると東北線の赤羽駅構内やその周辺ではギターをしょった若者たちが出没したそうです。本当の事かどうかは知りません。20年くらい前に何かの本で読んだのをウラ覚えして書いてます。赤羽駅ってところがイイ。今では結構オシャレな感じの街だが、当時は垢抜けない地方都市って雰囲気だったのだと思う。この頃は埼京線がないから池袋から赤羽線か、上野方面から東北線で来るかしかなかった。(赤羽線もまだ無かったのかな??)集まった若者は滝伸治に憧れて弾けもしないギターを買ったのかなぁ。赤羽駅に来ても北へ流れるなんて度胸も時間も金もない。せめてカッコだけでもと思ったのかな。駅に来て雰囲気だけでも、と思ったのか。さすらって・・・唄を歌って地元の純情な娘を暴力団のボスから救ったり、拳銃とダイスとライバルと、色っぽい踊り子に惚れられたりして・・・な〜んて想像(妄想!)に胸膨らませたのかナァ。当時は週休二日なんてなくて土曜も仕事。金の卵なんて言われて地方から集団就職した若者が、日曜日に映画館でアキラを観てルリ子しゃんにポーっとなって夜は白木マリをオカズにしていたのだろうか。
 そんな若者たちも現在は60歳前後。歳はとっても心の隅っこにはあの頃の「北へさすらう」気持ちが残っているのかなぁ。でもあれだよね。佐渡や会津や函館に、銀座や六本木なみ、いやそれ以上の豪華なキャバレーやラスベガスばりのカジノなんてある訳無い。考えてみれば(考えなくても)ヘンな映画。今更ながら無国籍ダ!!
あぁ・・・オイラも北へさすらうか!