今年最後の出撃デス
29日はラピュタ阿佐ヶ谷で『競輪上人行状記』 鑑賞。結構混んでいた。この作品は30年くらい前に文芸座地下だったかなぁ。観たものの睡魔に負けて詳細の記憶がなかった。20年ほど前に地上波で放送したが、それも細部の記憶がない。なので出撃!
面白かった! 熱血漢の教師だった小沢昭一が、兄の急逝で寺を継いだものの、競輪にのめり込み落ちぶれてしまう。最後の一発勝負で勝利。寺を買い戻し、教え子の伊藤アイ子と寺を出て競輪上人となる。ラスト、僧侶姿で説法を説きながらの予想には笑った。
社会の底辺で生きているオイラは、こういうドロップアウトしていく姿には共感してしまう部分が多い。最後の方での小沢昭一の台詞が良い。「相変わらず地獄の底をうろつきながら…負け犬の意地っ張りが治らんらしい(笑) 」
クライマックスで出てくる渡辺美佐子の落ちぶれ感も良い。7レースで勝負するため、自分で自分を紐で縛って他のレースで勝負出来ないようにする異常な姿には鬼気迫るものがあった。結局小沢が勝って渡辺は負ける。ホテルにしけこんで小沢と無理心中を図るが失敗。「あんたは私の最後の運を奪った人。あんたにも死んで欲しかった。」 と言い残し毒入りジュースを飲んで死んでしまう。
小沢の兄嫁役の南田洋子も良かった。貞淑な人妻で小沢は内心惚れていたようだが、死んだ亭主は種無しのサディストだったらしく、南田を鞭打ってSMプレイをしていたようだ。南田は跡継ぎを産むために、義父の加藤嘉と関係して加藤の子供を産んでいた。
このドロドロした人間関係はさすがは脚本・今村昌平。監督は裕次郎や小百合サマの映画からロマンポルノまで撮った西村昭五郎。面白かった。
今年のラピュタでの映画鑑賞はこれでオシマイ。次は正月明けに牧口雄二特集だ。ラピュタ阿佐ヶ谷さん、来年もヨロシク。
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