プロダクション鷹  『広域指定重要一〇八号拳銃魔 嬲り者』

 

 

7月2日はラピュタ阿佐ヶ谷で69年、プロダクション鷹製作、木俣尭喬監督『広域指定重要一〇八号拳銃魔 嬲り者』 鑑賞。

 会場には主演の久保新二さんの姿もあった。上映後簡単な挨拶があった。例の如く、この映画の記憶は全くないらしい(笑) 。自分の芝居は下手だ、というようなことを仰っていた。

 周知のように、この映画は「連続射殺魔」 永山則夫の事件を元に、永山逮捕前に映画化された作品。とはいえあくまで元にしただけで、勝手に膨らませて作った破滅型青春映画。

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 映画の冒頭は夜の東京プリンスホテルの庭でシン公(久保新二) とショウジがヨーコを痛めつける。ヨーコはショウジの女。外人と赤坂プリンスに入っていったのを目撃。浮気したと早とちり。ホテルから出てきたトコを捕まえたのだが、ヨーコのバッグから拳銃が出てくる (と思った) 。ドイツ製ゲルトハイツ22口径。ガードマンに見つかってしまい揉み合いになり射殺。

 

 

この拳銃は出入りしている暴力団・ダイトウ組の物。ヨーコが勝手に持ち出した(と思った) 。最後の弾には350万円のダイヤが仕込まれていて、ヨーコはこのダイヤをバイヤーに話をつけようとしたトコを浮気と誤解されたのだった。

ヨーコとショウジは組に捕まって拷問を受ける。組長はたしか鶴岡八郎。シン公は車とぶつかりそうになる。運転していたのは相川まゆみ19歳。金持ち令嬢の大学生。ホテルにしけ込んでセックス。翌朝目が覚めると拳銃がない。まゆみが持ち出したらしく、枕元に借用証と金が数万円置いてある。ヨーコとショウジは見張りのヤクザを叩きのめして脱出。ショウジはチンピラなのに喧嘩が強い。

 ショウジは喫茶店でシン公と会う。ダイヤを独り占めにしたいので、ダイヤの事は喋らずに「あれはアルカポネの銃で、ダイトウ組が探している。」  と偽り、銃を奪おうとするが、まゆみが持っていったので手元にない。

 まゆみは京都の大学生。昨夜ホテルでまゆみの学生証をチェックしていたので、シン公は京都へ行く。まゆみを捕まえてホテルへ。まゆみに惚れたシン公はプロポーズ。ところが彼女には親の決めた婚約者がいた。アメリカで結婚する予定。
「(その男と) 離婚したら一緒にそば屋をやろう。」
「私働くの嫌よ。」
「俺が二人分働いてやる。」

 まゆみは銃を家に置いてきたので持っていない。12時に八坂神社で待ち合わせ。銃を取り戻す。そこへヨーコとショウジが現れる。シン公は張り込んでいた刑事を撃ち殺す。喧嘩に強いショウジはシン公とまゆみを脅して車で逃走するが、運転を誤って崖から落ちて死んでしまう。まゆみだけ生き残る。「一緒にそば屋、やっても良いわよ。」 息も絶え絶えのトコで字幕が被る。 「この作品が公開前に犯人が逮捕されるかもしれません。結末は違いますが、ご了承ください。」 たしかそんな風に書いてあった。その後にエンドマーク。

 

                    

上映されたのはパートカラー16mm短縮版。上映時間は55分。元々が何分でどこが短縮されていたのかは知りません。久保新二さんの演技が上手いのか下手なのかも素人のオイラには分からん。実際に起こった事件を解決前に映画化して公開とは、大蔵貢もビックリの作品(笑) 。

 八坂神社で刑事を撃ち殺した弾が最後の一発だったはず。にもかかわらずショウジは銃を突きつけてシン公を脅すのだ。もう弾はないのに、変なの。このダイヤという設定はストーリーに全く反映されていなかった。おそらく多分絶対に、やっつけ仕事で作ったのだろう、乱暴なストーリー。それでも作り手にパワーがあるせいか一気に観られた。面白かった。

 周知のように脚本・監督の木俣尭喬は和泉聖治監督の父。

 ポスターに書かれているキャッチコピーが秀逸。
「原爆でも落ちて皆死んぢまえ!! セックスだけが本物だ!! 現代に疎外された若者達のセックスを鋭く描く一大巨編」
このご時世では絶対にNGだね(笑) 。

映画は21時55分終了。久保新二さんの挨拶が5分ほどあって、22時に劇場を出る。まっすぐ帰宅。