牧口雄二3連発

 

1月15日土曜日はまたまたラピュタ阿佐ヶ谷のレイトショー『牧口雄二の世界』 。

 『らしゃめん』 観賞。製作された77年当時、鰐淵晴子の歌う同名主題歌がヒットしたらしい。それにあやかって製作されたのだろうか。映画が先か歌が先なのかは知らん。昔はこういうパターンで作られた映画はたくさんあった。しかし77年は既にこの手の映画の時代は終っていたと思う。

 パンフレットによると「らしゃめん」 とは幕末から明治にかけて、外国人の現地妻として提供された日本女性のことらしい。映画は明治6年だったかな? 借金のカタに外国人居留地に連れてこられたお雪(鰐淵晴子) 。 許婚の医学生・数馬(荻島真一) とは離れ離れ。お雪の相手の外人はなかなかのジェントルマンだったが、翌年にはアメリカに帰ってしまう。横浜で酒場の歌い手となるが、元らしゃめん”の歌手ということで言い寄る男は多い。
 客を取るようにやり手ばばあの白川和子に強要される。遊郭に落ちていくお雪だが、ここでも“元らしゃめん” ということで人気者になる。お雪は稼いだ金を匿名で大学に数馬の学費として送金していた。学長が特別出演の成田三樹夫。数馬は海外留学を果たし、一流の医者として帰国するが、お雪の体は病魔に侵されていた。お雪の現状を知った数馬が治療に当たるがその甲斐もなく亡くなってしまうまでを62分で描いたジェットコースター作品。
 居留地の下男の常田富士夫が、最後まで献身的にお雪に仕える姿が印象的。エロいシーンもなく、ただただ鰐淵晴子がキレイなだけの作品。ストーリーを消化しているだけで、特にこれといったモノのない作品。

 しかしこの映画の鰐淵晴子のやっている事は「無償の愛」 というやつだね。言葉としては美しいけれど、現実には難しい。これだけ献身的に尽くしても、数馬はお雪が援助してくれていたのを知らない。洋行帰りの医者なら、すぐに良いトコのお嬢さんと見合いして結婚してしまうだろう。結局結ばれずに終わってしまう。お雪さんは見返りを求めてはいないが、仮に自分の問題として置き換えた場合、辛いものがあると思うのは、オイラの心が狭量だからか。

 

                     

 

22日土曜は『毒婦お伝と首斬り浅』 鑑賞。パンフレットよると「和製ポニー&クライド」 。恥ずかしながら知らなかったのでネットで検索。なるほど納得。しかしお伝役の東てる美がメンコイので毒婦には見えないし、最後に首を刎ねる浅右衛門(伊吹吾郎) との関係もタイトルにするほどではなく脆弱。行き当たりバッタリ的に殺戮を繰り返すのだから死刑は当然なのだが、軽いノリで殺していくからお伝が悪女には見えない。どこかでレールを間違わなければ、貧乏でも田舎で平和に暮らせたかもしれないお伝が不憫に見えないこともないけれど、感情移入は出来なかった。

 

                     

31日月曜は今回の特集のラスト『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』 。異常な傑作という触れ込みの作品。たしかにエログロ的要素満載で飽きさせない。主役のおみの(田島はるか) が落ちた残飯拾って食ったり、追っ手の汐路章や佐藤餓次郎をかわしたり、山の中で人夫(片桐竜二、他) に犯されたりと寺にたどり着くまで波乱万丈。着いたら着いたでデンジャラスなことばかり。しかし折口亜矢の尼僧姿にムラムラ!! 寺にやってきた男は皆殺されてしまうのもグロイ。クライマックスはおみのが逆襲。全員皆殺しで寺に火を点けるのだが、折口に付いていた少女・お小夜(佐藤美鈴) に後から刺し殺されて死んでしまう。ラストは1人生き残ったお小夜が旅支度でどこかに消えてしまう姿にエンドマーク。これもう一回観たい(面倒だから多分行かないだろう) 。

                     

今回の特集はどれもそこそこ客が入っていた。サタデーナイトに混んでいるのはまぁ分かるのだが、月曜に行った『女獄門帖 …』 まで満員だったのには驚き。土曜を避けて月曜に行ったのに、なんでこんなに混んでいるの?

 しかしこういう作品群を観ると、風俗に生きたくなるよ。今日は真面目にやろうと思っていたけど、もうダメだ。じょんじょろりん!! 以外はな〜んもする気がせんよ。 若いコは苦手だから熟女系のお店に生きたいな(オイオイ) 。