三ツ矢歌子でじょんじょろりん!!2
8月NECOで放送『天城心中 天国に結ぶ恋』。47〜48分の短い作品のためか鑑賞の機会がなく、石井輝男監督作品とはいえ、長く幻の作品状態だった。8月のNECOで放送。そのせいかこの作品を取り上げている映画サイトは多い。ちょっとググっただけで幾つもヒットした。詳しい内容や情報を他サイトからパクると(笑)、この作品は実話を元にして作られた作品らしい。それも心中事件が起きてから1ヶ月半
という驚異的なスピードで公開されたらしい。おそらく当時、事件を知った大蔵貢は「これはイケル。」なんて考えたのだろう。実話をすぐに映画のネタにしてしまう。この貪欲さには脱帽ッス。
『石井輝男映画魂』(ワイズ出版)の石井輝男インタビューによるとこの作品、やる気がなかったそうデス(笑)。キャスティングも決まっていたのだが、断る口実に、主役が三ツ矢歌子なら撮る、と言ったら本当に三ツ矢歌子になってしまった。当時、三ツ矢歌子は石井監督のお気に入りで、「とにかく歌子を撮りたかった。」
相手役の高橋伸は近江俊郎の関係で連れてこられた素人らしい(製作は富士映画)。他サイトで調べると、高橋伸は歌手だったそうだ。この作品の後、数本出て消えてしまった。映画の方は年末から年始にかけてハードスケジュールで撮ったものなので電機紙芝居の域。脚本も無いような状態で撮影したらしく、台詞は石井輝男がその場でつけていたそうだ。そのせいか出演者全員の台詞回しがぎこちない。
映画の序盤、新東宝マークが出る前に「この映画は最近報道された事件に取材されたもので・・・こうした悲劇が再び繰り返さなれぬことを祈って、この一篇を世の若き人々に捧げます。」エンドマークの前には『青春をもっと大切にしたい・・・」何か取ってつけたような注意書きが出るのがご愛嬌。古川緑波の先生はホモっぽくて、高橋伸の恋の悩み相談に乗る際、妙に高橋伸に触りたがるのは気のせい?テンポも良くないし、気のせいかセットもチャチイ。創世記のTVドラマ観ているみたいで、石井監督としては低調な作品。それでも三ツ矢歌子が観られるだけで満足!!石井監督がお気に入りだったのも分かる。も〜辛抱タマラン(ってまた昼間っから)。
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