男はみんなマザコンなのだ

 

東映映画『あゝ予科練』 DVDを観た。鶴田浩二主演となっているが、ストーリーの大半は予科練習生の西郷輝彦と谷隼人、太田博之、長沢純たちがメインの内容だった。主題歌は西郷輝彦が歌う『若鷲の歌』。おかげで憶えちゃったよ、この歌(笑)。 西郷の彼女役が大原麗子(キュート!) 。太田博之の姉役で藤純子が出ていたが、オイラのお目当ては女郎役の城野ゆき。キャプテンウルトラでアカネ隊員をやった人。女優になる前はモデルだっただけに美人。キレイで優しいお姉さんという感じがソソるのである。
 映画の方は東映作品らしくウヨッキーな内容とも言えるが、鶴田浩二は特攻は反対というスタンス。しかしラストは丹波哲郎や池部良の命令で、鶴田浩二率いる隊がカミカゼとなり、敵艦隊に特攻をかける。西郷も谷も長沢もみな死んでしまう。特攻をかける前夜。最後の夜を女郎屋で過ごす若い隊員たち。長沢純は女郎の胸の中で「かあちゃん!」 と言って泣きじゃくるシーンにはホロッときた。男はみんなマザコンなのだ。
 西郷は3月10日の東京大空襲で父・伴淳三郎、母・荒木道子。弟妹全員死んでしまう。唯一、生き残ったのが幼馴染みの大原麗子。最後の夜を二人で過ごすのだが、西郷は大原麗子を抱かない。清いままで別れてしまうのは、当時の西郷の人気を考えると、まぁ仕方ない。 予科練に入隊したものの、成績が悪くて落第。整備兵になる若者に、『柔道一直線』 前の桜木健一がいた。当時の若手俳優&アイドルが出ているのは貴重な作品とも言えるだろう。