裸女と拳銃(57年白黒、脚本・田辺朝巳 監督・鈴木清太郎(清順))
新聞社のカメラマン水島道太郎が麻薬組織を追う話し。組織に関係している謎の女に白木マリ。組織のボスに菅井一郎、白木を捨てた麻薬中毒の父親に浜村純。水島の仲間の記者に二谷英明、警部に宍戸錠が扮した。この組織は宗教団体を隠れ蓑にして麻薬を売りさばいていたのだが、水島と警察に追及され船で海外逃亡を図る。ラスト、船上で白木は菅井に撃たれ水島の腕の中で死ぬ、菅井は白木のセットした時限爆弾で爆死するところでエンド。白黒の添え物映画なのだが、展開が早くて結構面白い。何と言っても当時新人だった白木マリが素晴らしい。序盤から裸(ブラジャーにズロースみたいなパンティ姿、57年当時ではこれでも裸女になってしまうのか?)で登場したり、スケスケの衣装を着て悩ましいポーズをとってくれる。もうたまらないヨ。この人はグラマラスで一つ一つの仕草が実に色っぽい。当時とても20歳だったとは思えない色香。大好きな女優さんの一人です。こんな刺激的な役をやっていたとは知らなかった。エロティックアクションとでも言うべき作品だが、難をいえば複雑な設定を説明するのが精一杯で白木側の人間ドラマがいい加減。大体、白木は敵なのか味方なのか、その辺の位置付けがどうもよく理解できないのがツライ。でもイイのだ。白木の魅力だけで一気に観られる。日活さん、ビデオソフトの発売、またはNECOでの放送を望みます!!
(2001年3月28日記)

 

        らぶれたあ(59年白黒、原作・松浦健郎、脚本・石井喜一、監督・鈴木清順)
クラブ『ファミリークラブ』(変な名前!)のピアニスト・梢(筑波久子)には村上正男(待田京介)というピアニストの恋人がいる。しかし待田は病気で志賀高原の山荘で2年間療養していた。その間、二人は文通して愛を育んでいたのだが、徐々に待田からの手紙が途絶えだす。クラブ支配人の福井良太(フランク永井)は待田の存在を知りながらも以前から筑波に求婚していた。フランクは筑波に待田と会って自分を取るか待田を取るか決めて欲しいと言う。筑波は2年ぶりに待田に会いに行く。しかし山荘で会った待田はどうも様子がおかしい。病気は治っており、ピアノを止めて写真家になっていた。それでも2年ぶりに会えて喜ぶ筑波。しかし山荘にいた待田は正男ではなかった。双子の弟・隆次(待田の二役)であった。正男は2年前に所持していた猟銃が暴発し亡くなっていたのだ。隆次は正男に代わって筑波との文通をしていた。ショックを受けた筑波は東京に戻ってくる。そしてフランクの求婚を受け入れるのだが、筑波の前に隆次が現れる。文通をしていたのは隆次ということで、自分は隆次に恋をしていた事に気づいた筑波は隆次の方と結ばれる。それを祝福するフランク。ラストシーンは大量の花をバックにした筑波と待田のキスシーン。他に出演は山荘の番人に雪丘恵介。上映時間39分、出演者は4人だけという小品。しかし恋人なのに2年間も会わない、電話もしないで文通だけというのはどう考えても不自然だ(病気なら見舞いくらい行けよ。)。映画の出来は盛り上がりに欠けていて、何かスゴイどんでん返しでもあるのかと思っていたら、終わってしまったって感じの作品。これじゃ自主映画レベルだよ。携帯やEメールの現代では成り立たない話し。こういう変な映画を撮れるのは鈴木清順だけかなぁ・・・そういう意味では珍品中の珍品。しかし筑波久子は美人だ!美人過ぎるヨ・・・・タマラン。
(2001年5月5日記)