ラストゴングが鳴るまで・・・

 

本日夕方、日本テレビ放送のニュース番組“ニュースプラス1”。今日の特集は『外国人ホームレスに密着』 であった。偶然観たのだがそのホームレスを見て驚いた。何と! ワルインゲ中山氏だったのだ。ワルインゲ中山といえばケニア出身のアマチュアボクシング・ミュンヘンオリンピック銀メダリスト。73年に神林ジムからプロデビュー。75年に日本スーパーバンタム級王者となった70年代を代表する名選手。76年に2度、世界挑戦したもののKO負け。その後数戦したものの網膜剥離となり引退した。オイラはファンレベルの知識しかないのでワルインゲ氏の現役時代は知らない。10年くらい前のボクシング雑誌で、普通の仕事をして元気に暮らしている風な記事を見た記憶があったけど、ホームレスになっていたとは驚いた。2年位前から池袋駅周辺で生活しているそうだ。仕事を探しているのだが、60歳近い外国人を雇ってくれるところはない。唯一の仕事が知り合いの黒人を月に数回、近所の公園でボクシングを教える事。ワルインゲ氏は一回2千円でコーチしていた。元チャンピオンが落ちぶれてホームレス・・・かつては栄光に包まれていた男の転落の詩集。栄光は無いけどさ、オイラだって今は仕事をしているがいつ失業するかもしれない。JOA王者のオイラはひとりぼっちの地球人。いつかは体が動かなくなって寝たきりになるかもしれない。そうなったらもうオシマイである。オイラは20代の頃からそんな不安を抱いてきた。他人事とは思えないヨ。どこかのジムでトレーナーで雇ってくれるところはないのか?日本語もペラペラだぜ。ボクシングジムも儲かっている所は少ないだろうから難しいのかナァ。
 離婚した奥さんとの間に出来た子供トム・ワルインゲ(31歳) もボクサー。元アマ・ケニア王者から日本でプロデビューした輸入選手。ホームレスでは仕事に就くのは難しいので息子の住所を借りようと会いに行く。しかし自分がホームレスだと言えない父。悲しい。頑張れワルインゲ中山。人生のラストゴングが鳴るまで!!