リベンジ３連発

先日までラピュタ阿佐ヶ谷で行われた悪女が登場する映画の特集、『悪女礼讃』　。先月末からＧＷにかけて通って観たのが下記の３本。 この３本は７０年代にテレビ東京で毎週土曜日夜１０時からの『日本映画名作劇場』　で放送されたものの睡魔に負けて途中で挫折した作品。

・４月２４日（土）　１２時５０分より　『ひき裂かれた盛装』
・４月２８日（水）　１７時より　『女体』
・５月　８日（土）　１３時より　『しとやかな獣』


・『ひき裂かれた盛装』

　３０数年前の記憶も全くなかった。今回予備知識も何もなく観た。成田三樹夫は株屋らしいがまっとうな商売の男ではなく、裏の世界で暗躍する実業家。ビジネス絡みの事件屋っぽいのでＴＶ『土曜日の虎』　を彷彿とさせた。文芸モノっぽい感じはあるものの、サスペンスでも事件モノでも恋愛モノとも言えない。散漫な印象の作品だった。「えーっ、こんなんだったっけ」　というのが感想（笑）　。

・『女体』　

　ルリ子しゃんのイッちゃった演技がスゴイ！！　こんな女に取り付かれたら破滅しかない。伊藤孝雄は可哀想。岡田英次は死ななくて良かったネ。増村保造の女性映画も“軟体動物路線”　は笑って観られるが、これは一種のホラーだ。「あー退屈だわー」　と机に爪を立てるルリ子しゃんは怖いよ。まーしかし王者のオイラなら相手にされないだろうから大丈夫だけどネ（笑）　。

・『しとやかな獣』

　団地の一室と階段のセットしか登場しない舞台劇のような作品。こういうのをワンセットものって言うの？？　川島雄三は天才の切れ味を持つ監督で好きな一人だが、この作品では新藤兼人の脚本が素晴らしい。泥棒のような家族の会話が秀逸。よくこんな台詞のやりとりを考え付くものだ。若尾文子の悪女ぶりは型通りという感じもなくはないけど、こんなにキレイだと男はみんな騙されちゃうよ。ラストで彼女に騙されて屋上から飛びおり自殺する船越英二。それを発見した時の山岡久乃の表情も怖い。この映画に登場する女は皆したたかだ。映画の冒頭に登場する小沢昭一は日本人の役なのに妙な発音の日本語。相変わらずやネ。顔見世程度の出番で、いてもいなくても関係なかった気がする（失礼）　。

今回無事に３本鑑賞。３０数年前のリベンジが果たせた（笑）　。