六三制愚連隊(60年85分 原案・原健三郎 脚本・山崎厳 監督・西河克巳)
ロサンゼルスからやって来た日系2世の高校生・ヘンリー岡山(和田浩治)。父親の旧友・ウィリアムス(ポール・ラッファロー)の世話で横浜の高校・聖トーマス高校に編入する。日本に来た目的の一つは亡くなった父親の遺産10万ドルを日本にいるという父親の昔の恋人に渡す事。高校生なのに何故か車(外車のオープンカー@高そう)を乗り回す。車に乗っていると自転車が故障して困っている原マリ子(清水まゆみ)を助ける。転入した高校に車で登校する和田。校長(永井智雄)の面接を受け2年生に編入が決まる。転校初日からアメラグ部で問題児の御木本・通称ミッキー(杉山俊夫)と衝突する。勝手に車に乗られたり父親の形見の万年筆を取られてしまう。ウィリアムスから「困ったことがあったら110番」とアドバイスを受けていたので警官を呼んで学校は大騒ぎ。永井から叱られてしまう。学生寮に入った和田は他のアメラグ部の連中と仲良くなる。父親の昔の恋人は芸者をしているらしい。和田は置き屋を訪ねる。そこには清水がいた。清水は親の借金のカタで芸者にさせられて修行中の身であった。清水から父の恋人は亡くなったと聞かされる和田。しかし息子・志田文夫(小高雄二)がいるらしい。小高は自分の腹違いの兄かもしれない。遺産の10万ドルは小高に渡そうと考える和田。和田は清水の協力を得て小高を捜す。小高が立ち寄るというゲームセンターに来た和田。ゲームセンター内のコーヒースタンドで働いている関美枝(稲垣美穂子)は何かを隠しているようだ。和田はここで杉山とその仲間たちにからまれるが絵描きの神崎(岡田真澄)に助けられる。岡田から「麻薬タバコに気をつけろ。」と忠告を受ける。和田が10万ドル持っている事を知った杉山はパーティに誘い和田に麻薬タバコを吸わせる。意識を失った和田の身ぐるみを剥ぐが金が出て来ないので表の車に放置する。小高は鉄(小沢昭一)の麻薬組織の売人で麻薬タバコを杉山たちに分けていた。稲垣は小高の恋人であった。ある日、和田は稲垣に呼び出され小高と再会する。和田は小高に組織から抜けるように説得するが小高は聞き入れずに和田から10万ドルの小切手を取り上げる。10万ドルを手にした小高は稲垣と横浜を出ようとするが小沢たちに捕まってしまう。足を洗うことを条件に杉山を使って洋酒を積んだ貨車荒らしをするように命令される。洋酒の中に麻薬が隠してあるのだ。それを知った和田はアメラグ部の仲間たちと乗り込み貨車嵐を妨害、杉山を奪還する。そして麻薬の入った洋酒ビンを割ってしまう。激怒した小沢は稲垣を人質に口封じ目的で杉山と和田を殺してくるように小高に命令する。しかし小高には杉山&和田殺しが出来ない。和田は小高と協力して小沢一派を追い詰める。ヘリコプターで乗り込んだ和田たち、稲垣を救出するものの追い詰められて絶体絶命。その時、警官隊を引き連れた岡田が登場、岡田の正体は麻薬取締官だったのだ。数日後、ロサンゼルスに一時帰国する和田。立川?厚木?に見送りに来た稲垣、清水、アメラグ部の連中。「すぐ帰る。」と清水に約束し飛行機で去って行くところでエンド。
 出演は他に清水の踊りの師匠に藤村有弘。チンピラに野呂圭介、アメラグの仲間に守屋弘。パーティシーンでは平尾昌章が唄を披露。映画の出来は平凡、可もなく不可もなく。クライマックスではヘリコプターを使うなど手が込んでいる。ヘリコプターで稲垣を救出したものの定員オーバーで上昇できず、おまけに稲垣が縄梯子に捕まったまま飛ぶ(当然スタントだろうが)など無茶な事をするのは記憶に残る。アメリカ帰りでオープンカーを乗り回し(良いのか?)、ヘリコプターを操縦。パーティではドラムを叩いたり、アメラグでは米国の選抜チームにいたというスーパー高校生を和田が好演?こんな奴いないヨ。和田浩治作品はAVでいえば企画モノだね。
(2003年1月16日記)