昨年11月のNECO

 

『黒猫館に消えた男』に続いて、新東宝『肉体の野獣』を観ました(って今頃)。城南病院の産婦人科医・川喜多雄二。所用で出て行った主任の代わりに担当した中絶手術の患者が三原葉子なので驚く。三原はかつての恋人。3年前に川喜多が1年間イギリス留学している間に行方不明になっていた。妊娠、中絶した葉子たんを責める川喜多。彼女の話では川喜多が留学中に父親が破産、死去。債権者に騙され外人に強姦され妊娠したのだった。現在はナイトクラブ・ノアールのママ。ショックの川喜多だったが、親友の飯田公夫に諭され、再び葉子たんとやり直す覚悟を決める。クラブ・ノアールに乗り込んだ川喜多、エラそうに「君を許す。」という川喜多だが冷たい葉子たん(ああ・・・たまらんぞ)。結局、用心棒の男たちにボコボコにされてしまう(ザマミロ!)。一人取り残された川喜多、「女は悪魔だ!ケダモノだ。女がケダモノなら俺は野獣になってやる。世の中の全ての女に復讐してやる!」 どうしてそういう事になるのか理解に苦しむが、勝手に絶叫した川喜多は好意を寄せる看護婦・三田泰子、飯田の婚約者・瀬戸麗子。同じ団地に住む未亡人・若杉嘉津子、院長に頼まれて中絶手術した流行歌手・魚住純子を毒牙にかける。おまけに冷たかった葉子たんまで何故か言い寄ってくる。最後は院長の娘の三条魔子と婚約。三条の母親にまで色目をつかう野獣ぶり(笑)。葉子たんのクラブは暴力団が経営、彼女はボスの沖啓二の情婦。冷たかったのは川喜多に迷惑がかかるのを恐れたためなのだが、野獣の川喜多は葉子たんを許してはいない。三条魔子と車で新婚旅行に出る川喜多は途中、恋人時代に逢引していた海岸に葉子たんを呼び出す。一緒に逃げてくれると思い込んでる葉子たんに、ニヒルな笑いを浮かべながら「ムシが良すぎるぜ。俺は憎んでいるんだ。世の中の全ての女を憎み続けているんだ。俺はお前のために人生を狂わされた。」 勝手に興奮した川喜多はDV!DV!!危うし葉子たん。その時、銃声が!三田泰子が川喜多を射ち殺してしまう。三原、三田、駆けつけた三条。崖っぷちに佇む三人の姿にエンドマーク。

 この映画、設定自体が妙だ。恋人なのに連絡も取らないのか?父親が亡くなって苦労しているのなら、知らせなきゃダメでしょう。遠距離恋愛は難しいとは言うけれど(やったこと無いから知りません)、どうして連絡取らなかったの?いくら昭和35年でもイギリスに手紙くらいは出せると思うけど。

 しかも主演はどうして川喜多雄二なの?どういう経緯で新東宝に来たの? この人のプレイボーイぶりは悪くはないけど、どうして次から次へとやれるんだよ。そりゃ設定では「ハンサムなヤングドクター(三条魔子の台詞)」らしいけど、ここまでモテモテだと笑ってしまう!(羨ましいゾ、この野郎)。映画だから仕方ないのか? それとも医者だからか? まぁでも世の中にはこんな野郎いるのかもね。いろんな女とやるのは良いけれど、人間関係の後処理はどうなってるんだ?そんな事をする気はサラサラ無いのだろうが、キチンとしないから射ち殺されるんだよ。王者のお前に言う資格はない! という突っ込みは無しネ(笑)。
 葉子たんも良いけれど、魚住純子はエエなぁ。こういう色っぽい美人は大好きだ!出番が少ないのは残念。三田泰子も良かった。看護婦役だから他の女優陣に比べると地味な役どころだったが、川喜多の部屋で帰りを待って甲斐甲斐しく世話をしたりと、良い奥さんになるオーラがビンビン。こんな彼女がいたら、人生安泰だろう。ああでも浮気したら殺されちゃうからご用心(笑)。王者のオイラには関係ないからどうでも良いけど・・・涙。


 11月のNECOでは同じく新東宝『警察官出世パトロール』も放送。これは高島忠夫主演の富士映画作品。警察学校を出た高島忠夫が次々と手柄を立てて、最後は大島の署長となって転任していくまでを描いた喜劇なのだが、観ていて退屈な作品。新米警官時代の署長が由利徹。その娘が小畑絹子。大空真弓も出ていた。

 しかししかし・・・新東宝ビギナーのオイラだけど、この会社の女優さんたちには何故か惹かれる。皆さん美人なんだけど、他社に比べると華やかさに欠ける。そこが魅力なのだが、これは各人の資質なのか?それとも新東宝映画自体がチープだからか?久々だけど、じょんじょろりん!!しちゃおうかな(この変態が!)。

さぁ次は12月だ!・・・先は長い。