さらば!宇宙船

 

朝日ソノラマから出ていた特撮オタク雑誌『宇宙船』が2005年7月号VOL.119を最後に休刊(廃刊)しました。創刊号は持っていないけど、昔は毎号買っていたなぁ。特に創刊された80年代初頭はネットもなければCS放送もない、ビデオソフトはそれ程出回っていない。勿論LDやDVDもない時代だから、過去の作品や新作情報はこの手の雑誌から入手するしかなかった。創刊号当時は季刊だったから、情報が後追いになってしまう事も少なくなかった。それでもこの手の本が定期的に手に入る。それだけでも画期的なことだった。一時は月刊化されたこともあったが、それでは扱う情報も足りないのか?それともそれほど売れなかったのか?、すぐに隔月誌に戻ってしまった。
 オイラはやはり初期の頃に漂っていた昭和40年代の雰囲気が好きだった。あの頃は本当に情報に飢えていた。80年代初頭はビデオソフトも高価で手が出なかった。マイティジャックや怪奇大作戦のビデオソフトなど2〜3話しか収録されていないのに、1本数万円もした。当時社会性の無いオタク高校生のオイラに買える訳もなく、発売広告を指をクワえて見てた。この雑誌で好きだったのは、満田かずほ氏が連載していた『ウルトラを作った男たち』(ウラ覚えなのでタイトル違うかも)。毎回楽しみにしてたなぁ。しかしネット社会の現代では情報がすばやく手に入るから隔月誌では掲載される情報に新味がなく、近年は立ち読みはしても買うまでに至らなかった。それはオイラだけではなかったのだろう。資料となる写真でも掲載されればまた違ったかもしれないが、最近の戦隊やライダー役のイケメン役者の写真ばかりでは、オタクは買わないよ。当然売れ行きもサッパリ、休刊(廃刊)となったのは容易に想像できる。しかしネットもビデオもない時代、手探りで活動していた“使い手”たちに定期的に情報を供給していた功績は大きい。いつかまた飛び立つ日を信じて、さらば!宇宙船。