禁断の・・・小百合サマでじょんじょろりん!!16

 

今夜のNECOは『続キューポラのある街 未成年』 ご存知浦山桐郎監督の名作であり、小百合サマの代表作の続編。前作から3年後の話。顔ぶれは小百合サマと浜田光夫。殿山泰司以外は別な役者さんが演じているのが残念。しかも監督は野村孝に変わっている。名作の正統な続編という事で期待したい作品だったが、ハッキリ言って面白くなかった。続編に面白い物は少ないが、これもそうだったのは残念。

 小百合サマはカメラ工場で工員をして夜は同僚の笹森みちこと定時制に通っている。大学進学も夢見ているようで貯金もしている。工員仲間の野川由美子は夜遊びして妊娠、堕胎。18歳という設定だからいろいろあるよな。中卒が当たり前の時代に、工員が定時制に通っているということで工場内の人間関係もいろいろあるようだ。

 浜田光夫は仲間と独立して鋳物商売を始める。最初は景気が良かったが、商売がそう簡単に上手く行くわけもなく不渡りを出して失敗。仲間たちからリンチを受ける。

 弟のタカユキは中学生になっている。他校の連中とくだらない喧嘩騒ぎを起こすが、これくらいの年頃の野郎は狂犬みたいなもの。

 前作で北朝鮮に渡った朝鮮人の親友の父親が病気になって日本にいる母親・菅井きんに逢いたがっている事を知った小百合サマは、朝鮮に渡る事を勧める。行ったら二度と帰ってくることは出来ない。菅井きんは迷うが、毎度優等生の小百合サマはそんな事にはおかまいなし。半ば強引に勧めるのはコワイ。向こうに行った日本人妻がどんな目にあったか。今見るとホント怖いよ。この映画の小百合サマは罪な女である。直前まで迷っている菅井きんを強引に送り出すのだ。

 商売が失敗した浜田光夫は金がいる。小百合サマは大学進学のために貯金した通帳を浜田光夫に渡す。大学進学を諦めた小百合サマは工員として働く覚悟を極める。昔かたぎで頑固な職人の父親・宮口精二は工場をクビ。一家の働き手は小百合サマだけ。夜も働く事を決める。定時制も辞めて歩き出す姿に黛敏郎の暗い音楽がかぶりエンドマーク。

 最後の最後まで救いようがない内容。これでは面白いワケがない。前作では時間を割いていたタカユキの出番もどうでもイイ感じでつまらない。

 この映画の小百合サマはよく言えばまっすぐな性格。悪く言えば強引で独善的。つまり女王サマである。菅井きんの行く末が心配だよ。しかし夜の仕事をするならSMクラブで女王様になって欲しい。人気者になれば稼げるよ。小百合サマが女王様なら、オイラは奴隷にでも何でもなるぜ!! あー命令されたい(この変態が!) 。
 そんな問題のある小百合サマの役だが、宮口精二との取っ組みあいの父娘喧嘩は一見の価値あり。小百合サマが取っ組み合いだよ。これなら格闘プレイもオッケーだ!!(いい加減にしろ!) 。