世間はそんなにエライのか

 

今夜のNECOは小百合サマの『斜陽のおもかげ』。初めて観たのは30年くらい前、テレビ東京毎週土曜日22時からの『日本映画名作劇場』 だった。いつもの明るい青春モノを想像していたのでガッカリした記憶がある。今観ると小百合サマの優等生ぶりは変わらないが、まじめに作ってあるので好感が持てる。高校生と言う設定なので制服姿が拝める。この映画のときは22歳。大人っぽくなった小百合サマに制服着られると妙にムラムラ(こらっ!)

 しかし太宰に興味はないし、作品も読んだ事がないのであまり感銘は受けない。愛人の娘だからと就職で差別されたり、世間から色眼鏡で見られるシーンにも納得出来ない。この頃はまだそうだったのだろうか? それとも現代でもそんなものなのかな?
 岸田森の両親(芦田伸介&高杉早苗)が太宰の娘と付き合うのに反対するけれど、今でも人の親は自分の子供が愛人の子と付き合っていると反対するのだろうか。王者のオイラには理解不能だ。芦田伸介は政府関係の仕事をしているエリートらしい。官僚ってことかな? ってことはつまり税金泥棒ってことじゃないか。泥棒のくせに愛人の娘を差別してるんじゃねぇ! 何様のつもりだよ、と言いたい。

 映画は何も結論らしきものも出ないで終わる。山で死にかけた岸田森の事故を目の当たりにして生まれてきて良かった、と感じるのだが、 この先、主人公はどう生きていくのかも提示されないので消化不良。
 太宰の本妻の娘が通う大学のロケ地は早稲田大学。穴八幡から早稲田の正門にかけての一方通行路が映るが現在とほとんど変わっていない。