『戦後猟奇犯罪史』 鑑賞

 

20日月曜日はまたまたラピュタ阿佐ヶ谷に出撃! 20時40分阿佐ヶ谷着。いつものラーメン屋でラーメン&炒飯セットで晩飯(っていつもこれだな) 。21時にラピュタ。週の初めなのに客数は15〜16人くらいいたかな。


                       

この日は『戦後猟奇犯罪史』 鑑賞。ググるとこの作品を語っているサイトは多い。『復讐するは我にあり』のモデル、西口彰事件。克美しげるの愛人殺人事件。そして大久保清の連続婦女暴行殺人事件を、泉ピン子が『ウィークエンダー』 の再現フィルム風に紹介する珍品。

 『ウィークエンダー』 はそれほど熱心には観ていなかった。放送されていたのはオイラが中学から高校の頃だったかな。クラスの奴らが「再現フィルムがエッチでスゴイ!」 と騒いでいたので何回か観た程度。あまり面白いとは思えなかった。今から考えるとチャンと観ておけば良かったかもしれない(笑) 。 世間を騒がせた3つの事件を78分で紹介するのだから、どれも再現フィルムの域を出ていない。

 しかしながら最初の室田日出男は怖かった。気味の悪い笑みを浮かべながらの犯行は恐ろしい。そんなヒドイ奴なのに、こいつは女によくモテていた。チ〇ポに真珠を埋め込んでいるから、セックスが上手かったらしいのだが、そんなのはやってみなければ分からない事。それ以外にも女を引き寄せる何かがこいつにはあったのだろう。羨ましい(こらっ!) 。しかしこれ今村昌平監督の映画は140分だったのに、こちらは20分程度。余計な贅肉は全くないので一気に観られる(って当たり前だ!) 。室田日出男も役名は西本明。3本とも微妙に名前が変えられていた。

 克美しげるの事件などはもっと短かった。五十嵐義弘扮する克美しげる(映画では“風見のぼる”) がソープ嬢を殺して車のトランクに隠す。死体を処分したいが北海道でのショーがあるので時間がない。羽田の駐車場に置きっぱなしでショーに向うが、その間に発見され大成功したショーが終了後に、楽屋で逮捕されるまでを数分で描いていた。そういや五十嵐義弘がジャージ姿で体を鍛えるシーンがあったのだが、どうみても鍛えた体をしているとは思えなかったので笑ってしまった。

 この二本で上映時間は半分。残りは大久保清の事件である。内容はこれも再現フィルムのレベルで大した事はないのだが、川谷拓ぼんのイッちゃった演技は素晴らしかった。法律の知識があってインテリ風を気取ったと思えば、いきなり発狂! 刑事の前で股間をしごいてわめき散らす。若い刑事に「芝居」 と言われる始末。死体を遺棄した場所を吐かずに刑事を困惑させたり、留置場で殺した女の幻影に怯えたりと、いやこれはもう川谷拓三の独壇場であった。役名は久保清だと思ったけど、キネ旬のデータベースでは久保清一となっていた。オイラの聞き違いかな。

 最初、駅前で張って車でナンパするのだが、成功率は20%。5人に1人は成功したという。現実にそんなもんなのかねぇ。犯行を繰り返す様を観ていると、これはもう性癖だね。こうしないと興奮しない体になってしまったのだろう。マズイとは思っていても(そこまで描かれていないので、思っていたのかは不明) 、もうやらずにはいられない。オ〇ニーみたいなもんだ。 現実に殺された人がいるのだから、軽率な事は書けないが、大久保清が犯行を繰り返したのは何となく分かる気がする。

 このパートだけは映画の半分くらいの時間が割かれていたのは、牧口監督に思い入れみたいなものがあったのだろうか? しかし大久保清が母親に溺愛され、「ボクちゃん」 と呼ばれていた部分等、家族関係の描写はなかった。あくまで犯行の再現フィルムであって人間・大久保清が描かれていなかったのは残念。

ラストは泉ピン子が「こんな男は金玉チョン切っちゃえ!」 みたいな事を叫んで大騒ぎしてエンドマーク。

                       

映画は22時半終了。一気に観られた78分だったけど後味は悪い(笑) 。まっすぐ帰宅。乗り継ぎも良くすんなり帰れた。ラピュタのレイトショーは、今年はこれでオシマイ。