やくざ刑事シリーズ

 

2008年4月に東映チャンネルで放送された千葉真一(サニー千葉) 主演の『やくざ刑事』シリーズ

『やくざ刑事』

2作目
『やくざ刑事 マリファナ密売組織』

4作目
『やくざ刑事 俺たちに墓はない』

の3本を観ました。 これで3作目の『・・・恐怖の毒ガス』 があれば完璧だったのに・・・贅沢は言うまい。

 今回観た3本の内容は・・・書くのが面倒くさい。ジェットコースタードラマのように目まぐるしい展開。ストーリーはあって無きが如し。警察官の名簿から抹消された秘密刑事? の隼田志郎(千葉真一) がマフィアや暴力団に潜入。組織を壊滅させる話。ストーリーはどうでも良い。超人的なアクションでただただ繋げていくだけ。

1作目は巨大暴力組織・八城会を壊滅させる話。
2作目はマリファナ密売ルート摘発から暴力団・誠和会を壊滅する話。
4作目は宝石強奪を狙うギャング団に潜入。ギャングの上部組織を壊滅させる話。

 千葉真一の先輩刑事の峰尾が1作目と2作目は南利明(3作目も南のようだ)。4作目だけ人見明。毎回、潜入している千葉ちゃんと連絡を取るためにコスプレ扮装してくる。

 全作共通しているのは、ライバル役? が内田良平アニキ!! この時は所属が日活だったようで、クレジットにはカッコ付きで日活となっている。末期の日活に残っていてくれたんだね。さすがだぜアニキ!!(笑)

 しかしこの千葉ちゃん&良平アニキの関係はアキラ&ジョーとは違う。身分を隠しているとはいえ千葉ちゃんは刑事。良平アニキはギャングやヤクザ。いわば仇同士だ。ツーカーとはなってもそれは表向き。千葉ちゃんは特に熱い友情を見せたりはしない。

 1作目と2作目の監督は野田幸男。ここでの良平アニキは千葉ちゃんに片思い状態である。千葉ちゃんが刑事と知ってもピンチの時は助けたり、手を貸してくれたりするのだが、1作目では千葉ちゃんをかばって敵殺し屋の吹き矢で殺される。2作目では一緒に殴りこんで死んでしまうのだ。 4作目の監督は鷹森立一。ここでのアニキは野田監督版と違い、少し凶暴。(3作目の『恐怖の毒ガス』 は未見だが鷹森監督なので、おそらく同じようなタイプなのだろう)。

4作目ラストで千葉ちゃんは自分の素性を明かす。刑事と知ったアニキは怒る。そこへパトカーのサイレンが近づいてくる。千葉ちゃんはアニキを逃がしてやる。

千葉ちゃん 「達者で暮らせよ」
それに応えるアニキ 「あたりめえだ、バカ野郎(ニヤリ)」

散々やりあうが、最後には友情を感じたのだろう。ここは良いシーンだった。

しかしこの頃の千葉ちゃんのアクションはスゴイ。ビルとビルの間を綱渡り、海に落ちる車から脱出したりと、超人的な大活躍。鍛えた上半身も披露。その手の趣味の方にも堪らないのでは?(笑)

クライマックスは千葉ちゃんの独壇場。たった一人で敵組織をぶっ潰す。敵はマシンガンで武装しているのに、千葉ちゃんは素手である。刑事なのに全然応援が来ない。来るのは全てが片付いてから。無茶苦茶である。

1作目と2作目の主題歌は千葉ちゃんの歌う『一匹狼』  名曲!

4作目の主題歌はタイトルと同じ『俺たちに墓はない』 。親友で同僚の刑事・夏八木勲が殺されて、妹・有吉ひとみの前で熱唱してみせるのだが、これは何だか眠くなりそうな歌でチョッと頂けなかった。