山本陽子でじょんじょりりん!!

 

今夜のNECOは『愛して愛して愛しちゃったのよ』 。当時のヒット曲を主題歌にした他愛ない恋愛モノ。山本陽子、浜川智子、田代美代子の3人がアパートで共同生活するのだが、こういう構図は石坂洋次郎先生の『雨の中に消えて』 を思い出す。しかし白黒の添えモノ作品らしく出演者もBクラス。77分と少々短い。石坂作品とは違い言葉のキャッチボールもないし、それに伴う濃密な人間関係も観られない。

 山本&浜川は結婚相手は金持ちがイイ、という結婚観の持ち主。こういうのは今も昔も変わらないようだ。どこか薄っぺらい。映画の前半では3人娘は大学教授の神田隆を追っかける。いくら教授でも子持ち中年の神田隆がモテるのはヘンな話だ。
 結局、神田と結ばれるのは一番純情そうな田代美代子。彼女は以前から勤め先のナイトクラブで知り合って親しくしていた。妙な結婚観も持っていない。幼い娘とも上手くやっているようだ。

 山本陽子は兄の波多野憲から後輩の和田浩治を紹介される。和田は山本にプロポーズするが、山本は貧乏カメラマンの浜田光夫に惹かれているのを知って身を引く。かつてのダイヤモンドラインのヒーローだった和田浩治だが、この頃はどうでも良いような青春映画の助演が多かった。今回のも添え物作品の脇役だが、なかなか良い奴の役だった。
 最初の薄っぺらな結婚観はどこへやら。山本は貧乏カメラマンの浜田光夫と結ばれる。浜川はこれからも金持ち男を探すようだ(笑)。浜川智子はこういう偏った考えの女性役が多かったが、美人だから全く嫌味にならないトコが良い。山本陽子は美人過ぎたせいか日活時代は不遇の扱いだった。