酔いどれ番地

 

2008年1月に東映チャンネルで放送した『新宿酔いどれ番地 人斬り鉄』 を観ました。


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 基地の町・福生。ここは地元の柳田組の縄張りだったが、横田基地から流れる薬や武器の利権をめぐって新宿の大門組が割り込みを狙っていた。縄張り争いで根岸組長を殺して10年ぶりにシャバに出てきた権藤鉄治(菅原文太) 。愛人だった春美(生田悦子) は行方不明。荒れる文太アニイ。組長の成田三樹夫は文太アニイを福生に送り込む。同行するのはボクサー崩れの野呂(ジョージ高野) 、文太アニイを逮捕した元刑事の西垣(青木義朗) 。既に兄弟分の藤原(佐藤允) が先発隊として乗り込んでいた。
 佐藤は父親を柳田組に殺され復讐の機会を窺っているチンピラ・石川(舘ひろし)、元レーサーの松永(にしきのあきら) と組んでいた。6人は柳田組の密輸した酒を強奪。売りさばいたり、賭場を襲ったりと大暴れ。逆襲の柳田組との抗争でにしきのが死に、賭場を襲った際に舘も死ぬ。柳田組の事務所をダイナマイトで破壊。根城にしていたクズ鉄工場に乗り込んできた柳田組を蹴散らし逃げ出した大幹部の竹内(地井武男) を追い詰める文太アニイ。地井は情婦にやらせている飲み屋に逃げ込む。地井の情婦は生田だった。文太アニイは地井と巻き添えになった生田を撃ち殺してしまう。福生は文太アニイたちのものになるが、成田は佐藤に全員始末するよう命じる。佐藤は青木義朗、ジョージ高野を殺す。何も知らずに帰ってきた文太アニイと撃ち合うが勝ったのは文太アニイ。瀕死の佐藤は生田が姿を消したのは、成田に強姦されたからだ、と教えて息絶える。文太アニイは新宿に乗り込んで成田を刺し殺す。
 ヨロヨロと新宿の街を彷徨う。ゴールデン街のゴミ捨て場に倒れこんでいると、近所のオバさんが「いやだねぇ、昼間から酔っ払っちゃってさぁ。邪魔だから(あっち)行きなよ!。」 持っていたゴミ袋で叩かれるシーンにエンドマーク。

 

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 面白かったけど、文太アニイや佐藤允が組や成田三樹夫に不信感を持ちながらどうして命がけで働くのか? よー分からん。佐藤允は成田三樹夫の命令で仲間を殺すのも解せない。そこまで義理立てするのはどうしてなの? この辺の行動理由が脆弱。モノの善悪は関係ない。難しい話はやらないで、とにかく抗争の中でしか行き場所が無い連中の話をやりたかっただけなのかな?

 生田悦子は出番が殆んど無い。まむしの兄弟・川地民夫氏も幹部役で出ているのだが、これまた出番が無い。無いといえば、スター・にしきの と舘ひろしは台詞が殆んど無かった。

 タイトルこそ“新宿” と付いているが舞台が福生なのはご愛嬌。冒頭、柳田組の鉄砲玉を演じたのが市川好郎。『キューポラのある街』 で小百合サマの弟を演じた名子役。この人も故人だよなぁ。この作品の文太アニイのアクションはローキック主体の戦い方。ポケットに手を突っ込んだままチンピラに蹴りを入れていた。

 1月分はこれで終わり。2月に行こう。