優等生が鼻につくが・・・野暮は言うまい

 

今夜のNECOは小百合サマの『大空に乾杯』 。映画の出来は大した事はない。小百合サマの優等生ぶりが鼻につくが、これがこの人の持ち味。野暮は言うまい。公開されたのは66年2月25日。同時上映は裕次郎のムードアクション『二人の世界』 (ワイズ出版『日活映画1954−1971』 より) 。小百合サマはじめ、十朱幸代、広瀬みさ、和泉雅子のスッチー姿が拝めるので、その手の趣味の方にはタマラナイ作品に違いない(笑) 。

 この作品の儲け役は和泉雅子。今とは別人。オキャンでメンコイ。この作品では惚れっぽくて妄想癖のある女子高生役。最初は姉の広瀬みさの恋人・葉山良二に猛アタック。葉山がステテコを愛用しているので、妄想の中で「ステテコさん」 と呼んで愛を語らうのには爆笑である。
 次に惚れるのが浜田光夫。園芸大学の貧乏学生役。相変わらず気難しい奴である。どうしてこんな野郎がモテるんだ?? 浜田光夫と小百合サマ、和泉雅子と三角関係っぽい感じになるのだが、その時の和泉雅子の台詞が「な〜によあいつ。威張ってる。吉永小百合に似てると思って!」 当時の小百合サマの人気の高さがうかがえる。

 この作品の小百合サマは浜田光夫と金持ち息子の平田大三郎を両天秤にかける。スッチーが金持ちに見初められるのは昔も今も代わらないのだろう。小百合サマは平田大三郎と高級レストランでデートした後、浜田光夫と屋台でデート。結果として浜田光夫を選ぶ。金色夜叉にならないのが救いだが、嫌な女だなぁ。あれ! この図式は『風車のある街』 に似ているな。平田大三郎は『風車のある街』 同様すっぱり諦める。ひらたぁ〜、悪役も多いけど、お前ホントはイイ奴なんだなぁ(笑) 。
 しかしこれ小百合サマがやるから良いけど、他の女優さんが演じたら嫌な女である。十朱幸代や広瀬みさとのガールズトークも女くさくて頂けない。
 吉永小百合人気というのは当時どうだったのだろう? こんな作品を量産していたのだから、当然アンチみたいな人もいたはず。結局この人は別格なのだ。だから現在でも主演作が作られているのだろう。

 オイラはあくまで崇拝者だが、浜川智子や山本陽子のようなBクラスのヒロインに惹かれる時もある。小百合サマは浜田光夫にしか優しくないが、浜川智子は他の男にも優しいような気がする。だからというワケではないが、オイラのような王者にも優しくしてくれるんじゃないかと幻想を抱かせてくれるのだ。勿論そんな事はあるワケない。分かってはいるのだが、この作品の和泉雅子のように妄想が沸き起こってしまう。ちなみに和泉雅子はラストで乗務員の川地民夫に惚れる。心はパリやロンドンに飛んでしまうのには笑った。

映画としてはどうという事もない『大空に乾杯』 。これ当時どれくらいヒットしたのだろう。