あまい唇

 

21日土曜日はまたまたラピュタ阿佐ヶ谷に出撃! 60年代官能女優特集。『あまい唇』 鑑賞。この日は14時半頃にチケット購入。9番だった。客数は20名程度。トークショーが無いと土曜の夜でもこんなものかな。劇場には悪いけど空いている方がゆったりと観られて良い。もう数日経っているので、書いておかなくては忘れてしまいそうだ。その程度の作品だった(笑) 。

                     

大学の先生(らしい) で人気画家(劇中、絵を描くシーンなし!) の岡田泰介(森幸太郎) は生徒の松本弘美(志摩みはる) に迫られて関係を持ってしまう。仕方なくモデルにすると約束したものの、軽井沢の別荘に避難。
 別荘に雑誌記者の武見直樹(椙山拳一郎) が原稿の依頼でやって来る。夜、武見の誘いで街のバーに繰り出す二人。そこで出会ったのが、ホステス? の峯村カヨ(香取環) 。頭が少し足りないのか明るく無邪気な娘。岡田はバーのマダム麻理(谷口朱里) と、武見はカヨとホテルにしけ込むのだが、カヨに惹かれた岡田は口説いて一緒に別荘で暮らし始める。
 岡田はカヨに勉強を教えたり、乗馬の手ほどきをしたりで、教養ある女性に変えようと奮闘するのだが、カヨはセックスは好きだが勉強は嫌い。武見と関係したりしてしまう。ショックの岡田。
 最後は冒頭の女子大生? の弘美がやって来る。カヨは岡田を弘美に譲って身を引こうと別荘を出て行く。追いかける岡田。それを振り切って去っていくカヨの姿にエンドマーク。

 

 

低予算のピンク映画(なのかこれ?) だからチャチイ作りの作品(失礼!) 。谷崎の『痴人の愛』 が元ネタらしい。実際映画の中でカヨが岡田を馬にして部屋の中を歩かせるシーンがあった。しかし原作料が発生してしまうせいか、原作・谷崎潤一郎とは書いてありません(当然!) 。音楽も電子オルガンをベースにした安っぽい曲ばかりだった。お金掛かってないネ(笑) 。

 香取環は表情が豊かで熱演していた。この人は一般レベルでは美人。周囲にいたら人気者になれるだろうタイプだろう。しかし女優さんとして見ると、胴長寸胴で小太り、スターと言えるほどのオーラはない。オイラはバーのマダムの谷口朱里の方が好きだナァ。出番が少なかったのが残念! 

 岡田の役は人気画家らしいが画家らしいシーンは無いから、どうみてもサエない中年男にしか見えない。どうしてこんな人がモテるのか分からん。地位も名誉も金もあるらしい岡田が田舎のホステスのカヨに惹かれるのも理解できない。もうストーリー自体が変だ。カヨがいきなり身を引こうとするのもおかしい。頭が弱いという設定だから、弘美の存在で混乱したのか? それとも岡田との付き合いが面倒になったから、これ幸いと、別れる口実にしようとしたのかな。だとしたら実は賢かったりして。

 人間関係の描写が短絡的というかいい加減で、ストーリーを時間内に消化すれば良い、という印象を受けた。気のせいか葵映画って、こういう無理な話が多いような気がする。濡れ場も大した事はない安易な作りの作品。

香取環が演じた頭の弱い女性役といえば、一昨年の上映で観た『桃色電話(ピンクでんわ)』 を思い出す。『桃色電話』 はコメディで楽しく観られたが、こちらはチャチなメロドラマみたいで面白くなかった。

映画は22時24分終了。ラーメンでも食べたかったが、この時間に食べるとあとで後悔することになる。
晩飯は食べてきたのでまっすぐ帰宅。この夜も乗り継ぎは良くスンナリ。