第25話 お世話になりました。
文芸座地下(池袋)

 

 

 

 

文芸座地下は旧文芸座の建物の一角にあった邦画専門の上映館である。左の写真だと右下奥辺り。現在は下の写真のように通用口?関係車両の駐車場?となっている。かつてここに東京でも有数の邦画名画座があったという痕跡はかけらもない。ここは学生時代に何度来たのか分からないほど通いました。78年3月頃に『天国と地獄』と『新幹線大爆破』を観たのが最初。2度目に来たのはいつだろう?この頃はキチンと記録を取っていなかったために良く分からない。
 ここは毎回、俳優特集とか監督特集のようにテーマ別にプログラムを組んでいた。よく通ったのは『日の当たらない邦画劇場』という特集の上映。これは普段、名画座やTVでも滅多にかからない無名の作品を選んで上映してくれるもの。(同じ時期、文芸座の方は『日の当たらない洋画劇場』という特集をやっていた。)他には小沢昭一特集や鈴木清順特集。日活以外では黒沢明特集や毎年ゴールデンウィークにやった『日本特撮映画大会』。(この時文芸座は洋画の特撮映画大会をやっていた。)とにかく良く通いました。80年前後はまだビデオソフトやLD、DVDがない時代、現在と違って特撮物を気軽に観る事が出来なかった。

 

それだけに貴重な上映会で普段はどんなに混んでいても行列など出来ないのだが、この時ばかりは入口から大行列だったのを憶えている。ここは建物が老朽化してあまりキレイとは言えない劇場だったが、客層が浅草と違ってマニアが殆んど。治安も良いので安心して観ることが出来た。今でも憶えているのは1980年10月1日(水)〜6日(月)に観た小沢昭一特集。観た作品は『“経営学入門”よりネオン太平記』、『大当たり百発百中』、『競輪上人行状記』、『童貞先生行状記』、『フランキー・ブーチャンのああ軍艦旗』、『“エロ事師たち”より人類学入門』、『盗まれた欲情』、『サムライの子』である。この特集の時、毎日夜の上映の前に小沢本人が来場。その日に上映する作品の思い出話を10〜20分ほど語ってくれた。憶えている話は青春大全集の『大当たり百発百中』に書いているので参照されたい。小沢の舞台挨拶があるのがPM6時頃だったかなぁ?当時高校生だったのだが、毎日学校が終わるとダッシュで帰宅。私服に着替えて文芸座に通った。平日日替わりで上映する事が多かったので学校帰りに立ち寄った事も多い。

 この界隈は文芸座の他は風俗店がひしめいている。実は一度だけお世話になった事があります。85〜86年頃だったかなぁ。文芸座近くに『バカ一代』というファッションマッサージ店があった。雑誌で見て一度だけ行ったのだが、何故、店名が『バカ一代』だったのだろう? 待合室に『空手バカ一代』のコミックが全巻置いてありました。納得!! ネットで調べたらこの店は2001年5月頃になくなったらしい。最近までやっていたのに驚く。20年近く営業していたのは、この手の店にしては長続きした方だと思う。
 ちなみにこの時、眩しい程の女体を前に股間のコルトが全く役に立たず。女の子がさすってもシャブッても大きくなれずに時間切れしてしまい、お金だけ払って出て来たという情けない経験があります。悶々とした間々外に出たものの気が治まらず、北口線路沿いのソープに行きました。(ここは某有名チェーン店、今も健在です。)ここでは何とか発射に成功! スッキリして池袋を後にしたものの僅か2〜3時間で3万円も散在してしまい、後でトホホな気分になったという苦い思い出があります(悲笑)。

 

 

文芸座地下
詳細データ不明
97年3月廃館