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みな殺しの拳銃(67年 89分白黒 脚本・中西隆三、藤井鷹史 監督・長谷部安春)
赤沢(神田隆)をボスとする暴力団の幹部・黒田竜一(宍戸錠)と白坂(二谷英明)。二人は親友だが、かつては二谷の妻・紫乃(沢たまき)を取り合った仲だった。宍戸はナイトクラブを経営していて弟・英次(藤竜也)が支配人をしている。末っ子の三郎(岡崎二郎)はプロボクサー。宍戸は自分に惚れた神田の情婦(西原泰江)を神田の命令で殺害、車ごと海へ沈めてしまう。この事を知った岡崎はジムのオーナーでもある神田に食ってかかり、神田の部下・高品格や深江章喜らにリンチされ拳をつぶされてしまう。この事で宍戸は組を辞める。そして宍戸・藤・岡崎の3人は神田に反旗を翻し組と対立する。宍戸に協力するヤクザ・平田大三郎が殺され岡崎が人質に取られるが、宍戸と藤の活躍で救出に成功する。この時、藤は神田を射殺してしまう。組の長となった二谷だが神田を殺された事で宍戸との対決は避けられなくなる。二谷組は藤とその情婦(中庸子)を射殺、二人の死体を宍戸のナイトクラブに送りつける。宍戸は岡崎を残し、二谷組と工事現場で対決する。ライフルで高品や深江を倒し、二谷と1対1で対決。相撃ちとなり二人とも死んでしまう。そこへ岡崎が駆けつける。「アニキ〜!」という声が響いたところでエンド。
出演は他に神田組と宍戸に武器や情報を売りつける死の商人に葉山良二、ボクシングジム会長の娘で岡崎の恋人に山本陽子、神田の支配下にある遊技場店主に藤岡重慶、レストラン店主に弘松三郎、ナイトクラブのバーテン兼歌手にケン・サンダースと白黒作品にしては豪華?キャスト。暴力のプロたちの抗争はハードで白黒画面が雰囲気を盛り上げていた。宍戸と二谷コンビといえばコメディアクションの傑作『ろくでなし稼業』があるが、中年になった二人にはこういうハードボイルドな作品が良く似合う。この時期製作された宍戸錠主演作『殺しの烙印』、『拳銃(コルト)は俺のパスポート』と並ぶハードボイルド映画の傑作。
(2001年10月15日記)
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