南田洋子でじょんじょろりん!! 2

 

今夜のNECOは赤木圭一郎主演の『俺の血が騒ぐ』 。お馴染みワイズ出版『日活映画1954−1971』 によると、公開されたのは61年1月9日。同時上映は『刑事物語 ジャズは狂っちゃいねえ』 

 この作品に関しては原案を担当した山崎忠昭氏の著作『日活アクション無頼帖』(ワイズ出版) に詳しい。プロットは通ったが、肝心のシナリオは、「駆け出しのプロットライターにトニーの正月一発目の作品を任せるわけにはいかない。」 と、長谷部安春氏に持っていかれてしまい口惜しい思いをしたそうだ。

 内容に関しては、『青春大全集』を参照してください。ヒロインは笹森礼子だが、後半から舞台は船上に移るので出番はない。この作品の本当のヒロインは南田洋子だ。用心棒・葉山良二行きつけのバーのマダム。特技はトランプ占い。出番も多い。現在は認知症らしいが、この頃は若くて美人で色っぽい。モテただろうなぁ。南田洋子でじょんじょろりん!! だ。長門裕之が惚れたのも分かる。
 部外者なのに何故か密輸の行われる船に乗り込んできたり、ラストでトニー、葉山、南田を乗せたボートがどうなるのか? 疑問の残る作品だが、作られたのは日活全盛時代。映画自体に勢いがあるので多少ストーリーが破綻していても違和感はない。

 ネットで調べると、トニーは昭和14年生まれ、沢本忠雄は10年生まれ。トニーよりも年上じゃないか。にもかかわらず弟役。トニーは老け顔だし、沢本氏は童顔だからこれまた違和感はない。毎度の事だが当時21歳とは思えない。嘘だと言ってよジョー・・・ではないトニー(笑) 。良く観ると肌の色つやが良いからやっぱり21歳。でもスターの風格が出てきて良い感じだ。
 しかし公開された1ヵ月後にあの悲劇が起こるとは・・・トニーの死が夢の終わり。日活という会社が一番良い時期を駆け抜けて逝ってしまった。今さらながら惜しまれる。合掌。