もう一つの『黒い傷あとのブルース』
9月27日日曜日。幻の大宝映画『黒い傷あとのブルース』 観賞に出撃! 7月19日に行われた『黒と赤のブルース』 に続いてシネマトラアングルさん主催の上映会。場所も同じく新橋のTCC試写室。
同名タイトルのアキラ映画があるが、まったく違う話。公開はこちらの方が若干早いらしい。
<ストーリー>
香港の麻薬組織の立花猛(牧真史) が羽田空港に降り立つ。東京の密売組織・藤田商事の連中が牧をライフルで狙うが、オープンカーで乗り付けた小島亜紀(島崎雪子) に誘われ便乗したことで難を逃れる。しかし亜紀は田辺の経営するナイトクラブのホステス。牧は亜紀と別れ宿泊するホテルに入る、と見せかけて裏口から逃走。行方をくらます。牧は藤田商事に乗り込む。藤田商事は先代の社長が謎の死。そのあとを藤田が引き継いだのだが、取引の量が減っているので調査にやってきたのだ。
牧は昔馴染みの源次(新宮寺寛)、三宝丸のキャプテン(清水元) の協力を得るが、源次が車に轢かれて殺される。かつぎこまれた病院は前社長と同じ小島病院。院長の小島(殿山泰司)も怪しい。藤田は牧の組織を裏切り、麻薬を香港の別組織から仕入れていた。仲立ちをするのは皆川(龍崎一郎) と仲沢(近衛敏明) 。仕入れた品物は田辺(大友純)と取引(この辺の相関関係はよく分らなかった) 。大友との取引の日。藤田は亜紀に牧を連れ出すように指示する。二人は海に行くが、罠と見破った牧は東京に戻って取引現場をつきとめる。藤田の裏切りの証拠を掴んだ牧は香港に帰るだけ。
夜、道を歩く牧は後ろから走ってきた車に襲われる。気を失った牧が目覚めたのは殿山の病院。注射針が迫る。間一髪飛び起きた牧。外に逃げる殿山は走ってきた車にひき逃げされて死んでしまう。殿山の死体に駆け寄る亜紀。亜紀は殿山の娘だった。惹かれあった牧と亜紀は一緒に香港に行くことを決める。三宝丸で帰る相談をしていた時、藤田の部下が監視しているのに気付いた牧は単身藤田たちのいるナイトクラブに乗り込む。藤田に右肩を打たれ大ピンチ。救ったのは亜紀。亜紀の銃は藤田を撃ち殺す。警官隊がなだれ込んでくる。藤田の組織の幹部・波多野(植村謙二郎) は麻薬捜査官であった。
牧と亜紀は別々に逃げる。通りがかった日本運輸のトラックの荷台に潜んだ牧だが、シャッターを閉められ車庫に閉じ込めてしまう。朝には三宝丸が出航してしまう。亜紀は無事に船に戻る。キャプテンと牧の帰りを待つ。脱出を試みる牧。車庫に溶接機を発見。右肩の出血がひどい。穴をあけてシャッタ−のスイッチを押す。外に出た牧は痛みに耐えながら港へ行くが船は出た後。港には波多野たちがいた。逮捕される牧。警察のボートが三宝丸に近づき停船を指示するシーンにエンドマーク。
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退色していたが総天然色作品。ナイトクラブなどセットも使っていた。この時はまだ新東宝の撮影所が使えたらしい。前回観た『黒と赤の花びら』 よりも金がかかっている感じ。終了後の小野田嘉幹監督の話では牧真史とはNHKのドラマで知り合ったそうだ。日活ファンの間では、牧真史は元日活俳優の牧真介ではないか、と思われていた。小野田監督の話では似ているけど別人という事だったが、牧真介にクリソツ(笑) 。多少ふっくらしているから違うといえば違うと言えるかな。殿山泰司は小野田監督が呼んだらしい。後は何を言っていたのか忘れてしまった。すぐに書かなきゃダメだね。
映画としては特に観るべきところはない。ハッキリ言ってあまり面白くなかった。亜紀は藤田の指示で牧に近づいたようなのだが、それなら最初にライフルで狙うのは無駄のような気がする。牧は藤田の裏切りの証拠をつかみに来たようなのだが、なんだかダラダラした展開でその辺が明確になってはいなかった気もした。亜紀が殿山の娘という設定も取って付けたよう。車庫に閉じ込められて脱出するのも溶接機を発見する前にシャッターの機械をショートさせたりと色々試みる。溶接機の使用も何の迷いもなく、シャッターの開閉スイッチに近い場所を開けていた。この辺の展開も妙な感じがした。
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15時半終了だったかな。駅近くでラーメン食べて徒歩で有楽町。ビッグカメラで買い物して帰宅というJOA王者らしい休日でした(笑)。
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