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ネオン警察 女は夜の匂い
花村勇次(小林旭)が連絡場所にしている大阪のナイトクラブに赤いバラと航空券が送られてくる。送り主は鶴浜市を縄張りとする宮園組組長・宮園圭子(牧紀子)。羽田空港、赤いバラを胸に着けた牧が出迎えに来ている。旭は飛行機には乗っていない。帰路に着く牧を車でやって来た旭が尾行。鶴浜市にやってくる。鶴浜市は老舗の宮園組と愚連隊上がりの誠心会が対立していた。偶然立ち寄ったバー・ファンシイ。ママはヒトミ(牧まさみ)。バーテンはオサム(沖雅也)。旭はここで同じように赤いバラで呼び出された結城元(内田良平)と遭遇。二人は誠心会の賭場を荒らす。内田は誠心会に旭は宮園組に潜り込む。旭は宮園組の沼健(三田村元)、サブ(前野霜一郎)、ジロー(庄司三郎)を使い、誠心会の店で働く女たちを足抜けさせる。女たちは誠心会とは無関係と思われる鶴浜レジャーセンターに流す。ところがこのレジャーセンターの黒幕は県会議員・中川(小松方正)。小松は誠心会のバックでもあった。誠心会のボス・松村(須賀不二夫)は内田に旭の殺害を命じるが、内田は金だけ取って何もしない。バーテンの沖雅也には中華料理屋で働く愛子(青木伸子)という彼女がいたが、青木は死んだ父親が須賀から借りた20万円の返済に苦しんでいた。この事から沖はヤクザを憎んでいて、旭につっかかる。事情を知った旭は沖には内緒で20万円を青木に渡す。それを車の中から見ている内田。足抜けされて業を煮やした須賀は宮園組長を拉致するように部下に命令。内田はこのことを旭に知らせる。美容院帰りを襲われたところを旭の活躍で拉致を阻止する事は出来たが、須賀は情報が何故洩れたのか疑問を持つ。要領の良い内田は情報を漏らしたのを沖の仕業にしてしまう。沖と青木は須賀たちに捕まりリンチを受ける。青木を人質にされた沖は旭を殺すように命令される。旭を襲う沖だが、逆に三田村に刺殺されてしまう。青木は須賀の部下たちに強姦されてしまう。旭たちは誠心会に殴りこみ青木を救うのだが、三田村たちは殺されてしまう。旭は須賀に迫るが既に須賀は何者かに殺されていた。疑われる旭だが、須賀を殺したのは内田。内田の動きに不信感を持っていた旭は内田と対決。旭は内田の利き腕を撃って旭が勝利する。内田の口から、「宮園組と誠心会を共倒れさせ、レジャーセンターを建設しようとする。」小松の企みを知る。宮園組に横たわる沖の亡骸を前に泣き崩れる青木。レジャーセンターで打ち合わせ中の小松のところに単身乗り込む旭。支援者を前に「将来は市長!」 と鼻息が荒い小松を刺し殺す旭。警官隊がやって来て旭は逮捕、連行される。そこへ現れた牧と青木。警察に知らせたのは青木。連行される旭の背に「私はあなたが憎い。だって他に誰を憎めば良いの?!」 旭が乗せられていくパトカーを見送る牧にエンドマーク。
『ネオン警察 ジャックの刺青』の続編だが、相棒だった郷^治は前作で殺されてしまったので「腹こわすな。」 「風邪ひくな。」の名台詞もない。内田良平との関係も、日活アクションにありがちなライバル関係というわけでもない。『赤道を駈ける男』もそうだったが、宍戸錠あたりならまた違うのかもしれない。内田の役は胡散臭そうな流れ者で友情なんて感覚は皆無。何かを企んでいそうで信用できない。実際共倒れを狙って画策、自分が疑われそうになると沖や青木にその罪をなすりつけた。沖が殺されて、青木が強姦されたのはこいつのせい。トンでもない野郎だ。牧紀子は宮園組長でありながら、ナイトクラブ・エメラルドのママさん。ステージでは日吉ミミが歌っていたのだが、クラブのセットも渡り鳥の頃に比べると狭いしチャチな作り。旭の部屋がクラブの2階の和室なのだが、裏手が牧まさみの店。この辺のセットの作りはチャチィものの、新東宝『黄線地帯』を彷彿とさせる。内田の「まるでカスパだな。」という台詞があった。内田は牧まさみの部屋に転がり込むのだが、牧まさみは須賀の組のスパイで旭や内田の動きを監視。内田に見破られ殺されそうになるが、旭に救われる。映画としてはオーソドックスな作りで特に観るべき物はない。渡り鳥のような地方ロケもないのでスケール感もなし。カスパのようなセットは末期の日活にしては頑張ったと思うが、映画自体に力がないので、3日もすれば忘れそうになる作品。見所は日吉ミミの歌(『男と女の数え歌』 『男と女のお話』)くらいか。
(2007年11月25日記)
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