禁断の・・・小百合サマでじょんじょろりん!!11

 

今月のNECO・吉永小百合シアターは『風と樹と空と』。石坂洋次郎先生原作の同名小説の映画化。東北から集団就職で上京した沢田多喜子(吉永小百合)のお手伝いさん奮戦記。真面目に観たのは25年ぶりくらいだ。原作は文庫本で300ページくらいのものだと思ったけど、それを87分でやるのはチョッと無理があったかな。原作と比べると、駆け足的で消化不良な感じ。
久々に観てチョッと意外な感じがしました。もっとしっかりした作品だと思ったけど・・・記憶なんて当てにならない。同じ駆け足作品でも『あいつと私』ほど語られるエピソードに魅力がなかった。

 それでも顔ぶれが豪華。川地民夫、山本陽子、十朱幸代、田代みどり、和田浩治。小百合サマのお気に入り? の浜田光夫が名キャッチャー振りを見せている。先日の衛星劇場で和泉雅子が語っていたが、「浜やん(浜田光夫)は(芝居が)上手い! 小百合ちゃんが大事にしていたのも分かる。」 小百合サマが大きく振りかぶって投げる芝居をガッチリ受け止めて見せる。この辺も見所の一つか。

 出来は大味だが、全編・小百合サマの独壇場だね。序盤では田舎娘の小百合サマが、あっという間に垢抜けた娘さんになる。この作品の小百合サマは当時19歳。メンコイ! この人に比べると、長澤まさみも沢尻エリカも小粒だ(異論は認めん!)。美人度では長澤嬢、沢尻嬢の方が今風なのだが、小百合サマには美人と言うありきたりの枠で括れないプラスアルファがある。このプラスアルファっていうのが持って生まれたスター性ってやつなのかな?

 この手のお手伝いさんを主役にした作品って、現代では見かけなくなった(集団就職なんてのもなくなった)けど、昭和40年代までは結構あった気がする。『風と樹と空と』は鰐淵晴子主演でTVドラマ化されたし、『コメットさん』もお手伝いさんだ。お手伝いさんも昔は女中さんでしょ。田坂具隆監督の名作で『女中っ子』なんてのもあったなぁ。今は女中って言ってはいけないんだっけ? だから昭和51年に『女中っ子』を森昌子主演でリメイクする際、タイトルが『どんぐりっ子』になったと聞いたことがある(真偽は不明)。

 お手伝いさん・・・今は家政婦さんか。市原悦子を忘れてた(笑)。あの人は・・・カウントしない事にしよう(ご本人&ファンの方、失礼!)。