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と
・ 闘牛に賭ける男(60年、脚本・山田信夫、舛田利雄、監督・舛田利雄)
北見(石原裕次郎)は新聞社の事業部員。日本での闘牛興行を担当するが直前でスペイン風邪が流行したために中止となる。この事で裕次郎は新聞社を辞め、仲間の高原駿夫と組んでTV映画の買い付け&製作会社を興すが失敗。起死回生を夢見て再び日本での闘牛興行を計画、単身スペインへと向かう。裕次郎の婚約者で新劇の女優役に北原三枝。北原の元婚約者でエリート銀行員に二谷英明が扮した。ラストは興行主との契約に成功、北原は演技の勉強でアメリカへ旅立つ所で映画は終わる。
裕次郎、北原、二谷の三角関係を大胆な回想形式を絡めて描いた大作メロドラマ。スペインロケも効果的で面白く観られる。この作品は61年の正月映画として60年年末から公開された。北原三枝の引退作でもあるのだが、この作品での北原はいつもと化粧の仕方が違うのか、目つきがキツイ感じがしてあまり好きではない。それでも映画の出来は良いので有終の美は飾れたと思う。
(2001年2月2日記)
・ 東京騎士隊(ナイト)(61年 原作・原健三郎 脚本・山崎厳 監督・鈴木清順)
土建会社の御曹司、和田浩治は父親の事故死で留学先のアメリカから帰国、高校生ながら二代目社長となる。和田はラグビー、フェンシング、拳闘、楽器と何でもこなすスーパー高校生。学園でも人気者になる。和田は音楽部に入部し部員の清水まゆみと仲良くなるのだが、清水の父、嵯峨善平はライバル会社の社長で父を事故死に見せかけて殺した黒幕だった。和田の追求で嵯峨は自殺、清水はショックを受けるが部員達の励ましで再び明るさを取り戻すのであった。
和田の義理の母親に南田洋子、嵯峨と密通していた和田の会社の専務に金子信雄。番頭さんに小沢昭一(良い役。)、音楽部のメンバーの一人にかまやつひろし(まだ髪の毛が短い。)がいた。音楽部顧問の外人教師にジョージ・ルイカー(好演!)が扮した。映画の出来はどうという事のない凡作だが、賑やかで楽しい。
(2001年3月28日記)
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東京流れ者(66年、原作、脚本・川内康範、監督・鈴木清順)
本堂哲也(渡哲也)は『不死鳥の哲』の異名を持つヤクザだ。所属する北竜二の組と敵対する江角英明の組との争いを避けるために流れ者となった哲だが、行く先々で江角の組からの刺客(川地民夫)に襲われる。最後は味方であった北竜二にも裏切られた事を知った哲は東京へ戻り、北と江角を倒すのであった。
任侠映画風の庄内篇、西部劇風の佐世保篇とオムニバス映画のような展開は軽快で面白い。渡哲也の歌う同名の主題歌は随所に流れるのでミュージカル映画でもある。哲を助ける流れ者のヤクザ『流れ星のケン』に二谷英明が、哲を慕う歌手、千春に松原智恵子が扮した。二谷の緑のジャンパー姿、『刺青一代』以上に奇妙なセットと演出の銃撃戦や「流れ者には女はいらねえ。」の名台詞が印象的な変な映画。渡は不死鳥をふじちょうと発音していた。
(2000年11月22日記)
・ 続・東京流れ者 海は真赤な恋の色(66年 脚本・大野景範、三代大五 監督・森永健次郎)
川内康範の原作を映画化。主人公の名前は同じだし『東京流れ者』のタイトルが付くので↑の続編かと思うのだが、ストーリーに繋がりはないようだ。自分の親分・甲田を殺して自首、3年の刑期を終えて刑務所から出所した本堂哲也(渡哲也)。通称『不死鳥の哲』(今回はふじちょうではなく何故かフェニックスと発音する。)は兄貴分・戸田信次(垂水悟郎)、通称エースの秀を頼って垂水の故郷・高知へとやって来る。渡は高知へ向かう船上で二段撃ちの健(吉田輝男)と出会う。吉田は甲田組からの依頼で渡の命を狙っていたのだ。垂水との約束を守って高知でカタギになる決意でやって来た渡。しかし垂水は高知にはいなかった。垂水の妹・節子(橘和子・新人の表記あり!)は老舗の酒屋店主・杉安太郎(嵯峨善兵)の家で暮らしていた。渡は嵯峨の店で働きながら垂水が現れるのを待つ。嵯峨の息子・浩司(杉良太郎・新人の表記あり!)は地元の顔役・瀬川(金子信雄)の経営するナイトクラブの踊り子・サリィ香山(松原智恵子)に入れ込み金子から借金をしていた。松原は垂水のかつての恋人であった。杉は借金のカタに嵯峨の持ち舟の貨物船を取られ捕らえられていた。吉田は金子の組織に草鞋をぬぐ。垂水はカタギにはならずに神戸で麻薬組織の顔役になっていた。金子は渡に垂水との取り引きの立会い人となることを依頼する。渡は杉を自由にする事を条件に承諾する。そして貨物船上で取引きが行われるが、金子は裏切り渡共々垂水も殺し麻薬を独り占めしようとするが、垂水と渡の活躍で失敗。金子も吉田も死ぬ。垂水も吉田との撃ち合いで死んでしまうのであった。渡は嵯峨に引き止められるが、パターン通り高知の街を出て行くところでエンド。
前作との共通点は哲のかつての恋人の名前が千春という事だけ。清順監督のものと違って緊張感のない平凡な出来であった。何より勿体無いのは吉田が渡のライバル役として全く機能していない事。何のために出てきているのか分からないのは本当に惜しい。またこの作品の橘和子は新人らしくまだ垢抜けない感じで初々しい。渡に惹かれて行くヒロインを型通りに演じていた。松原のダンスは素人目で見ても下手クソな感じ。この人にはバンプ役は合わないヨ。バンプ役といえば本家?白木マリがナイトクラブのマダムで金子の情婦・ひろみ役で出ていたが、もう踊らなくなったせいか?少し太っていた。この時の白木はまだ29歳だと思うのだが老け込むのは早過ぎるゾ。上映時間も何故か73分と中途半端。
(2001年10月2日記)
・ 東京の孤独(59年100分白黒 脚本・松浦健郎、井上梅次 監督・井上梅次)
プロ野球球団『ディッパーズ』は優勝決定戦で『ウェーブズ』と対戦するが敗れてしまう。敗因は投手陣が手薄なため。優勝を逃した責任から監督・大貫(大坂志郎)の辞任という噂も出るが球団社長・星野(三島雅夫)と話し合い来年の優勝を条件に留任する。大坂は入団テストを行い戦力補強を図る。大阪の妻・薫(月丘夢路)と大坂の妹・登世子(芦川いづみ)はテスト会場に大坂の激励に列車で向かう途中、車内で財布を落として困っている猿丸真二郎(小林旭)と出会う。旭は投手としてテストを受けに行く途中だった。芦川と月丘は旭を会場に連れていく。自称20勝投手の旭は同じテスト生の強打者・黒柳平介(宍戸錠)を最初は空振りさせるものの打ち込まれてしまう。意気消沈した旭は会場から逃げ出す。旭と錠の才能に惚れた大坂は二人を合格とするが錠も会場から姿を消す。天才肌だが傲慢で計算高い錠は自分を高く売るために故意に姿を消したのだった。大坂は三島に二人を捜すように頼む。大坂は二人を入団させて優勝出来なかったら監督辞任という約束をさせられてしまう。錠はスポーツ新聞の記者・野々宮(西村晃)に手紙を出し売り込む。錠は浅草仲見世で服の叩き売りをしていた。西村は口を利く代わりに錠からリベートを取る。しかし旭はなかなか見つからない。ある晩、芦川と月丘は偶然テレビのボクシング中継で試合をしている旭を発見する。旭は岩坪(殿山泰司)のジムに所属する4回戦ボーイだったのだ。旭は殿山の経営するバーに住み込みでバーテンをしていた。大坂は芦川とジムへ行くが留守。バーに行くと試合に負けたショックで郷里の博多へ帰ってしまった後だった。スチュワーデスをしている芦川は博多行きの便に搭乗した際、旭の実家を訪ねる。旭の母は旅館の女中をしていたのだが、西村が先回りしていた。手付金の50万円を強引に押し付け承諾書にサインさせてしまう。大坂や西村が旭のスカウトに動いている事を知ったバーのホステス・梢(清水まゆみ)も博多にやって来て旭に迫る。旭に野球の才能がある事を知るまで旭には冷たかった清水だが野球選手になれば金が入ると考えて唾を付けておこうと思ったのだった。芦川が博多に来ていることを知った旭は芦川の滞在するホテルにやって来る。芦川は『ディッパーズ』に入団して大坂を助けて欲しいと頼む。旭は大坂を尊敬していたし芦川に惹かれ始めていたので承諾するが、腹黒い西村は『ウェーブズ』からリベートを取り「大坂は『ウェーブズ』の監督になる。」と言って旭を騙して『ウェーブズ』に入れてしまう。この事で芦川と疎遠になるが大坂は旭に『ウェーブズ』でがんばれ!と励ます。一方、『ディッパーズ』に入った錠は頭角を現して行く。しかし傲慢な錠は二日酔いで試合に出て醜態をさらしてしまう。大坂の良き理解者でもあるヘッドコーチの堀木(安部徹)に叱られ反省する錠。旭もデビューして大活躍をしてみせる。旭と錠は新人王のタイトルを争うことになる。芦川に惚れている二人は本人の目の前で新人王を獲った方が芦川にプロポーズするという約束を交わす。芦川は旭を発奮させるために承諾してみせる。『ディッパーズ』と『ウェーブズ』は錠と旭の大活躍で連戦連勝。リーグ優勝を賭けて雌雄を決することになる。決戦前夜、旭は大坂の家を訪ねる。大坂と旭は互いに健闘を誓い合う。試合は一進一退、9回裏、『ディッパーズ』の攻撃。『ウェーブズ』の1点リードでツーアウト。バッターは錠。ホームラン級のファールを打たれたりとヒヤッとするが最後の1球でまたファールを打たれるがファースト?が取りアウト、試合終了。『ウェーブズ』の優勝が決まる。優勝出来なかった事で大坂は監督を辞める。芦川と旭は付き合い始める。ラストは大坂、月丘、芦川、旭のいる湖畔の別荘へ安部がやって来る。安部は大坂の後を継ぎディッパーズの監督に就任していた。安部は大坂に他球団(球団名忘れた)の監督の話を持って来る。当初、月丘と「ゴルフショップでもやってノンビリ暮らす。」と語っていたが野球への思いを断ち切れない大坂は安部の話を受ける。そして互いに来シーズンの健闘を誓い合う。そこへ旭と芦川が手をつないでやって来るところでエンド。
この作品は『渡り鳥シリーズ』が製作される数ヶ月前のもの。旭と錠は野球でもライバルだった事が分かる貴重な?作品。しかし梶原一騎的なストレートなスポ根ものではない。錠の見せ場も少ないし試合のシーンも単調で工夫がないため野球映画と呼ぶには中途半端。旭・芦川・錠の三角関係も取って付けたようだ。これに清水まゆみも絡むのだがこれまた大した出番もないので恋のさや当て映画でもない。それでもストーリーの語り口が巧みな為、100分の映画もダレる事なく観る事が出来る。出演は他に大坂を失脚させて監督の椅子を狙う2軍監督・小芝(植村謙二郎)。『ウェーブズ』監督・高峰(弘松三郎)。特別出演で当時のアナウンサーや評論家、『大毎オリオンズ』や『讀賣ジャイアンツ』の選手が出演していたようだが野球は興味が無いので誰が出ていたのかは分かりましぇ〜ん。分からないといえばどうしてタイトルが『東京の孤独』なの??
(2003年4月15日記)
・ 東京の人(56年前篇72分後篇54分白黒 脚本・田中澄江、寺田信義、西河克己 監督・西河克己)
川端康成の新聞小説を映画化した前後篇合わせて126分の大作メロドラマ。
『前篇』
島木俊三(滝沢修)は出版社の社長。妻・白井敬子(月丘夢路)がいる。自宅には別々に表札が出ていることから内縁関係のようだ。二人にはそれぞれ子供がいる。月丘には新劇女優の朝子(左幸子)、大学生の清(青山恭二@新人)。滝沢の高校生(17歳)の娘・弓子(芦川いづみ)。芦川は月丘と一緒に風呂に入るくらいよくなついている。滝沢の会社は経営が行き詰っていた。関西に金策に行くものの失敗して東京駅に降り立つ。出迎えに来たのは会社の小林みね子(新珠三千代)。新珠はひそかに滝沢を愛していた。昭和21年、芦川の母は体調が悪く田舎の病院に入っていた。自ら興した出版社で忙しい滝沢に代わりに当時9歳の芦川の面倒を見ていたのが当時駅の売店で働いていた月丘。芦川の母の死後、二人は一緒になったのだった。月丘はかつては銀座の宝石商『美宝堂』の娘だった。空襲で亡くなった月丘の父の部下・川村(山田禅二)は独立して銀座で宝石店を営んでいた。ある日月丘は山田に頼まれ南京虫型の時計を田部(芦田伸介)の豪邸に届けに行く。芦田は闇屋から成り上がった成金で駅の売店で働いていた月丘とも顔なじみだった。芦田の弟・昭雄(葉山良二)は外科医で3年前に芦川の盲腸の手術をした事があった。顔を見合わせて驚く月丘と葉山。これがきっかけで葉山は月丘や芦川と親しくなる。青山は義理の妹でもある芦川に惹かれていた。何度か求愛するのだが坊ちゃんの青山は頼りなく芦川に拒否されていた。左には劇団仲間の役者・小山一夫(金子信雄)という恋人がいた。妊娠した左だが「子供はいらない」と金子に言われる。左の公演を月丘、葉山、芦川で観に行く。妊娠している左は公演終了後に体調を貧血で倒れてしまう。左は手当てをしてくれた葉山に妊娠していると吐露する。そして公演が終わったら中絶するので適当な医者を紹介して欲しいと頼むのだった。その夜、左は月丘に公演が終わったら家を出て金子と結婚すると宣言する。金は無いので式は挙げずに仲間内で会費制のパーティをするそうだ。自分の次は芦川が結婚する番だと葉山と結びつけよと芝居の切符を二人に用意したりする左。芦川は葉山に惹かれていく。会社が危なくなった滝沢は新珠と料亭で過ごした夜、債権者たちが第2会社を作るために工面した金を持って失踪する。月丘は葉山の協力を得て滝沢を探す。その結果、滝沢は竹芝桟橋から出た船から身投げしたらしいことが分かる。船会社の事務所で受付係(河上信夫)から話を聞いていると新珠も現れる。この事から滝沢と新珠が特別な関係にあったと悟る月岡。遺体は勿論、遺留品もないのだが乗船者と下船者の数が1名合わなかった。いなくなった男の風体が滝沢と酷似していた。ショックを受ける月丘はその夜、葉山と結ばれる。月丘と葉山は余程セックスの相性が良かったのか?二人は離れられない関係になる。葉山と逢瀬を重ねる月丘はある日、密輸時計を扱ったとして警察に連れて行かれる山田の姿を目撃する。月丘に「声はかけるな。」と目配せする山田。芦田から葉山の妻に芦川を貰えないかと頼まれる月丘だが葉山と不倫関係にある月丘は「あの子はまだ高校生ですから・・・」と曖昧に断る。青山から求愛されていた芦川は葉山に惹かれていたのだが、赤い羽根の街頭募金活動をしているとき、デートしている月丘と葉山の姿を目撃してしまう。ショックを受けた芦川は家を出て級友の英子(桂典子)の家に転がり込む。芦川にフラれた青山も家を出る。月丘が葉山に惹かれている事を青山は感じていた。責められる月丘。月丘も葉山も心では別れなけらばと思っていても体は逆であった。青山は本郷にある級友の下宿に転がり込む。葉山は芦田から滝沢が生きていると聞かされる。滝沢が死んだとは思えない新珠はバーのホステスをしながら探していた。クリスマスの晩、葉山から滝沢が生きているらしいと言われ驚く月丘。月丘は葉山に別れ話を切り出す。葉山もそれを了承するのだがクリスマスの夜だけでも一緒にいたいという葉山。月丘はこれを断り帰路につく。夜の銀座を歩く月丘。
『後篇』
クリスマスの晩、芦川は桂や他の級友たちとキャバレー・プレジュアにいた。級友の一人、稲子(中原葉子)が歌手としてステージに立つのを見に来たのだ。この店にはホステスとして働く新珠がいた。新珠は芦川に滝沢は生きている事を話す。ある夜、新橋界隈で偶然再会する滝沢と新珠。滝沢は「僕はもう死んだ人間だ。」と言って人ごみの中に消えてしまう。年が明けて月丘は家を処分して銀座に自分の宝石店『京美堂』を出す。釈放された山田が番頭になり開店準備に忙しい。その様子を見に来た芦川。月丘は店の2階に自分や女中・ふみ(加藤温子)の他に芦川の部屋も用意していた。芦川はまた月丘と暮らしだす。滝沢を探す新珠は隅田川沿いでホームレスをしていた滝沢を探し当てる。月丘は葉山の子供を身ごもっていた。芦川には旅行に行くと言って中絶する月丘。葉山はドイツに留学する事になる。金子は役者を辞めてサラリーマンになる。関西放送の企画部員になるらしい。一緒に来て自分の企画したラジオドラマに出て欲しいと言う金子。東京で女優を続けたい左は金子と別れる。左は2度目の妊娠をしていた。月丘は「自分が育てるから子供は生むように。」と左に言う。金子から電話がかかってくる。一度は「さよなら!」と言って電話を切る左だが金子に会いに行くのであった。青山は民生局で働いていた。社会に出て逞しくなった青山はホームレスの実態調査をしていたのだが体を壊して収容所で寝ていた滝沢と再会する。青山は日暮里駅前に芦川を呼び出し再び会いに行く。芦川は帰ろうというが滝沢は「弓子(芦川)はママ(月丘)の子だよ。」と言って帰らない。葉山がドイツに旅立つ日がやって来た。羽田で見送る芦田たち。月丘は別なところからこっそりと見送る。月丘の姿に気が付かない葉山だがタラップに立った時に月丘に気づく。窓から手を降る葉山。飛行機は飛び立っていく。青山と芦川は月丘を連れて滝沢に会いに行くが既にいなくなっていた。周囲の人に尋ねると新珠と出て行ったらしい。船に乗っている滝沢と新珠。睡眠薬で心中覚悟の新珠だが滝沢は薬を東京湾に捨てて「生きてみるつもりだ。」新珠は「(滝沢と一緒なら)生きていきましょう。」。ラストは銀座の街を歩く青山と芦川。滝沢を多少は理解できるようになった二人は明るく歩いていく。
2時間を越える大作なのだが出来の方は大味。月丘と葉山、滝沢と新珠の二組の不倫カップルが登場するがどちらがメインなのかはっきりしない。おまけに青山と芦川、左と金子の関係も中途半端。ダラダラと長いだけであまり面白くない。新聞に連載されていたせいか、細切れのエピソードを繫げただけで何がしたいのかよく分からないピンボケな作品。月丘と葉山の関係だが、かなりドロドロしたセックスをするのだろう。頭ではイケナイと思っていても体の方はそれを許さない。どんなに気持ちの良いセックスをしていたのだろうか。もちろんこの頃の映画だから濡れ場はもちろんキスシーンもないのだが、淫靡な人妻役は月丘のハマリ役。じょんじょろりん!!したくなるよ。この頃の芦川いづみは実年齢は20歳越えていたのだが幼い感じ。後年のお姉さん女優にはなっていない。高校生役だから仕方がない。映画の冒頭、月丘と芦川の入浴シーンあり(もちろん裸は見れましぇ〜ん)。当時、三浦洸一の歌う同名の主題歌はヒットした。
(2003年7月29日記)
・ 東京は恋する(65年94分 脚本・才賀明 監督・柳瀬観)
塚口明夫(舟木一夫)の仕事は看板の絵描き。歌は上手いが彼女のいない若者。日曜日、独りで銀座に恋愛物の映画を観に行くが周囲の客はアベックばかり・・・空しい。映画が終わり銀ブラする舟木だが雨に降られて雨宿り。そこで一緒になった緒方みちこ(伊藤るり子)。伊藤に一目惚れした舟木。舟木はある日夜の街で幼馴染の三村健次(和田浩治)と再会する。和田に誘われ舟木は和田のアパートに転がり込む。伊藤は和田のアパートの近くの洋品店の店員だった。和田は仲間(杉山俊夫、市川好朗、木下雅弘、市村博)とバンドをやっていた。いつかはプロになろうと努力するがなかなかチャンスがない。和田は舟木をボーカルにしようとするが、舟木にその気持ちはなかった。和田はナイトクラブのステージに立とうとクラブ社長・遠山圭太郎(菅井一郎)の娘・玲子(山本陽子)に取り入る。伊藤と再会して有頂天になる舟木だが、伊藤は和田の恋人だった。顔には出さないがガックリする舟木。しかし和田は金持ちの玲子に夢中で伊藤と付き合う気はなかった。傷心の伊藤は田舎の父親からの見合い話のため帰郷する。その頃、和田のバンドは菅井のクラブでデビューする。伊藤は帰郷していなかった。街で舟木は伊藤と再会する。伊藤は舟木の看板書きの師匠の田所文太(葉山良二)の紹介で保育園で働き始める。伊藤は郷里から上京した祖父母に舟木を和田という事にして紹介する。真面目な舟木を見て安心して帰郷する祖父母。この事で舟木と伊藤の仲は急接近する。そんな時、プロデビューしてこれから売り出そうとした和田のバンドだが、和田以外のメンバー全員怖気づいてしまい、バンドは解散。プロへの夢を断たれた和田。山本にもフラレ失意の和田は初めて自分に必要なのは伊藤という事に気づく。舟木は伊藤への気持ちを押し殺し和田と伊藤の仲を取り持つのであった。
出演は他に和田たちが常連のラーメン屋・まんぷく亭店主に桂小金治。舟木の同僚に堺正章。映画の出来は平凡であまり見せ場もないので面白くないが、真面目で人の良い役の舟木、調子が良くて上昇志向の強い和田、舟木を見守る葉山。皆、型通りな役回りを好演していた。ヒロイン役の伊藤るり子は初々しくて良い。しかし桂小金治の台詞ではないが、どうして伊藤のような良い娘が和田なんかに・・・納得できんゾ!!
(2001年11月12日記)
・ 都会の空の用心棒(60年、原作・若井基成 脚本・池田一朗、小川英 監督・野村孝)
速水八郎(小林旭)は小さな航空会社のヘリコプターパイロット。上空からのビラ撒きが主な仕事だが、時には遭難救助の仕事もする。旭は山で遭難した区役所の役人・木浦祐三を救助したことから土地の不正払い下げの事実を知り、真相究明に乗り出す。
事件の黒幕・二本柳寛、スリだったが旭の男気に惚れ助手になる疾風の浩・杉山俊夫、木浦の恋人・稲垣美穂子、旭の会社の社長令嬢で通信員・浅丘ルリ子(メンコイ!!)。ジェリー藤尾がアイスピックを使う殺し屋(なかなかのハマリ役!)に扮した。クライマックスではヘリに乗った旭に追い詰められた二本柳は運転を誤り崖から転落死する。アクション物としては平凡だが優れた特撮や空中撮影、旭のスーパーマンぶりやアクションも素晴らしく楽しい作品。旭の勤務する航空会社は池袋西武の屋上・西武タワー、60年当時はヘリポートだったようだ。当時の池袋駅東口が観られるのは貴重だ。
(2001年5月24日記)
・ 都会の空の非常線(61年、原作・若井基成 脚本・池田一朗、小川英 監督・野村孝)
『都会の空の用心棒』の続編だが、設定が同じなのは旭と杉山俊夫だけ。勤務先も西武タワーから調布?の飛行場に変わっている。ストーリーは医師・下条正巳の病院建設用地を巡っての土地の争奪戦に巻き込まれた(でしゃばった)旭の活躍を描いたアクション物。敵のボス・山内明、用心棒・高品格&垂水悟郎。旭の上司・内藤武敏。事件に巻き込まれたヒロインに浅丘ルリ子が扮した。旭のスーパーマンぶりは相変わらず、特撮も空中撮影も前作を上回る出来だが、ヘリコプターを使ったアクションはイマイチ。高品格やヘンな鼻歌を口ずさむ垂水悟郎も見せ場がなく低調な作品。しかし旭は足代わりにヘリで飛んで行くけど良いのか?
(2001年5月24日記)

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