第22話 夢の製造工場
東映大泉撮影所

 

 

映画といえば撮影所、陳腐な言い方だが夢の製造工場である。東映大泉撮影所は西武池袋線大泉学園駅下車北口から200メートルほど歩いて大泉通りに出る。右折して谷原方向に歩いて100メートルほど進んで『撮影所入口』の信号を左折、更に100メートル程歩いた左側にある。ショッピングセンター『オズ大泉西武』の正面と言った方が分かりやすいかもしれない。
日活映画のHPなのに何故、東映なのか?一度だけこの撮影所の中で日活映画を観たことがあるのだ。

 

1977年12月3日(土)〜4日(日)、撮影所内で『第1回ぴあフィルムフェスティバル』が行われた。この時、何故か撮影所の一角で『狂った果実』を上映していたのだ。上映したのは3日の午後であった。『狂った果実』、噂では聞いていたが、このときのオイラはまだ未見であった。海外の映画作家たちに影響を与え、ヌーベルバーグ旋風の火付け役になったというこの作品。裕次郎の初主演作としても有名な作品、今でこそ3000円程度のセルビデオで気軽に観る事が出来るが当時はなかなか鑑賞の機会のない幻の作品であった。
 土曜日なので学校は昼で終わり。当時、中学生だったオイラは学校が終わるとダッシュで帰宅。荷物を置き学生服からおたくファッションにタイプチェンジ!?電車で大泉へ急行した。『ぴあフィルムフェスティバル』といえば現在も毎年行われている自主映画の祭典。飯田譲治塚本晋也、等の数多くのプロの映画作家たちを輩出してきた由緒あるイベントである。その記念すべき第1回大会。しかし当時のオイラはそんなアマチュアの映画など眼中になかった。なんせまだ中学生だもん、分からないよ。
 しかし撮影所に入ったのは生まれて初めてのこと、物珍しさでキョロキョロばかりしていた。憶えているのは当時撮影中の『トラック野郎シリーズ』で登場した食堂のセットを見学できた事。何作目に出たのかは知らないが、一番星の桃次郎(菅原文太)たちがタムロしている食堂という設定で登場したと思う。映画の中で桃次郎が酒かっくらって飯喰っているシーンを観た記憶がある。他に憶えているのは『狂った果実』の前に上映していた自主映画『極私的エロス197×』。正確なタイトルはよく憶えていないが、こんな感じだったような気がする。内容は妊婦の出産シーン。自室(和室の4畳半みたいな感じ)で赤ん坊を独りで生んで、自分でへその緒を切って後処理、実家に電話をして母親に「生んじゃった。」とあっけらかんに報告するだけという作品。出産シーン等、全て本物だったと思うんだけどどうなんだろ?。自主映画だからこんな変な映画撮れたのだろうな。

 

←撮影所、西門。
現在の撮影所は2001年12月オープン予定のオズスタジオシティが建設中のため、工事中箇所が多かった。上の写真が正門なのか、こっちが裏門なのか、工事の立て札があるせいでよく分からなかった。オズスタジオシティというのは映画を題材にしたテーマパークなのか?かつて大船にあった松竹シネマワールドみたいになるのかな?ところで大泉撮影所は東映ヒーロー物を作っている所。東映は円谷プロと違ってコンスタンスにヒーロー物を作り続けてきた。

 

この撮影所の対面には東映アニメーションもあるし、そういう意味ではこここそが真のオタクの総本山と言えるのかもしれないネ。
 基本的にオイラは日活フリークなので東映映画にはあまり思い入れはない。しかし東映ヒーロー物は現在も作られ続けているし、毎週必ずチェックしてイマス。頑張れ、東映!!

 

 

東映大泉撮影所
東京都練馬区東大泉2−34