オイラの背中に陽が当たる

 

11日の日曜日。オイラは映画『ウルトラマンコスモス2』を観に行った。場所は『青春劇場第33話』で書いた『シネリーブル池袋』
 この手の映画の常として観客は家族連れが多い(ったくガキどもはウルセェんだよ)。以前も書いたがコスモスはシリーズ中の最低作。愛だの夢だのと似非ヒューマニズムで怪獣保護を謳っている。そんな作品の映画化だから出来の方は大した事はない。ウルトラマンだから観たという程度のもの。客層は前述した家族連れが8割。残りの2割はオイラのようなオタク者だ。ダサダサの服装と容貌。デブかモヤシの体型。オイラと同じような不気味な雰囲気。日曜の夜にウルトラマン・・・仲間だねぇ。オイラは心の中でエールを送った。
 家族連れを避けて最終回に行ったのだが館内は結構混んでいた。客席数が約180。入場券と引き換えに整理券が渡される。160人くらいはいたようだ。座席を確保しオイラは売店に行った。行列が出来ていた。並んでビールとパンフを買ったのだが、アルコールを買う客は殆んどいないのに驚いた。オタクはあまり飲まない奴が多い。オタクは友達がいないから酒席に出る事は滅多にない。だからオタクで酒豪なんて話は聞いたことがないし、家族連れのお父さんは車で来るのが多い。アルコールが売れないのは当然だ。しかしオイラはビールをチビチビやりながら映画鑑賞。この劇場は座席にカップホルダーが付いていて座りごこちも良い。新劇場とは大違いダ!(笑)。
 今回のコスモスの敵は異形生命体サンドロスと怪獣兵器スコーピス。最初から人類を滅亡させる意思を持って攻めて来る怪獣だ。だから今回は保護ではなく攻撃である(笑)。破壊活動をする怪獣たちにムサシ隊員が叫ぶ。「なぜ夢を奪うんだぁっ!!?」、で変身するのだが正直興ざめである。子供や小市民であるその親(平和ボケした日本人)はこのシーンを見てカッコイイなんて思うのかもしれないが、人生一匹狼のオイラからしたら「アホか。」である。「あんたバカぁ?」(懐かしい!)である。平和ボケした日本人は山で熊に襲われた時、熊に向かって言うのだろう、「何をするんだ。」と。盛り場で『狂気人間』に襲われて言うのだろう、「訴えてやる。」と。
 話がワープするが北朝鮮からの亡命者を助けなかった大使館員を世間は非難したけれど、彼らを責める事が出来る日本人は少ないと思う。興奮した中国人警官に下手すりゃ撃ち殺されたかもしれないんだゼ。映画の中の裕次郎やアキラみたいに出来るのか?日本人は警察が正常に機能しているところでしか強気な態度が取れない。だから外国では弱腰である。外人から舐められるのは当然だ。「エラそうな事言って、お前はどうなんだ?」と尋ねられれば、オイラは警察が機能しているところでさえ強気な態度は取れない。オイラは業界(どこの業界だ?)でも有名なチキンハートの持ち主だからだ、エッヘン!!。
 ただオイラが世間の連中と違うのは、こうやって自分が臆病者であることを公言しているし、また自覚している事だ。小さくなって世の中生きている事なのだ!しかし容姿が不気味なのもあるがこんなのだから女にモテナイのだろう。だって自分に彼女や奥さんがいたとしても守りきれる自信ないもん。おそらく・・・いや絶対に何かあったら独りで逃げてしまうだろう。そういう情けない部分を黙っていても女は子宮で見抜いてしまうのだろうナ。世間の男たちは自分の彼女や奥さんに言っているのだろう。「いつでもお前を守れるぜ。」、「一生守ってやる。」、マッチョなところを見せているのだろう・・・恥ずかしい(笑)。
 コスモスのエンディングの歌詞の一節に「夢を追いかけて全てが変わる。いつだって君の心は見ている。」。
 日本人にモラルはない。公衆道徳もない。町のゴミ出し一つでも守らない奴は多い。中にはそれに火を点けるたわけ者もいる。「・・・君の心は見ている。」意味深な歌詞だ。日本人ってこういうのを歌にしないとダメな人種に成り下がってしまったのだろう。
8月15日を前に思いました。