この時観たのが、
・『渡り鳥故郷へ帰る』(62年作品、脚本・下飯坂菊馬、監督・牛原陽一、主演・小林旭)
・『拳銃無頼帖 明日なき男』(60年作品、脚本・松浦健郎 朝島靖之助、監督・野口博志、主演・赤木圭一郎)
2度目に観たのが、
・『刺青一代』(65年作品、脚本・直居欽哉 服部佳、監督・鈴木清順、主演・高橋英樹)
3度目は自転車で行った。片道、1時間くらいだったかなぁ?川越街道をひたすら走ったっけ。観た作品は日活ではない。当時、勢いのあった角川映画である。
・金田一耕助の冒険(79年作、脚本・斎藤耕一 中野顕彰、監督・大林宣彦 主演・古谷一行)
・蘇る金狼(79年作品、監督 村川透、脚本 永原秀一、主演 松田優作)
場末の劇場なのでそれほどキレイでもなく大きくもない。街の小さな映画館であった。角川映画2本立て時の客の入りは半分くらい。『渡り鳥・・・』『明日なき男』の時などはガラガラであった。3回とも行った日は天気が良くて、映画で1日潰すのは勿体無いような陽気だった。ここで観た、『渡り鳥故郷へ帰る』はシリーズ最終作であるが、従来のものとは別な番外編とでも言うべき作品。役名も滝伸司ではなく、滝浩。監督も斎藤武市ではない。ヒロインも浅丘ルリ子ではなく笹森礼子。内容も従来の西部劇的な展開ではなく、平凡な現代ヤクザものとでも言うべきもので観ていて退屈な作品であった。
『明日なき男』は赤木圭一郎の『拳銃無頼帖シリーズ』4作目。これは面白かった。主人公、抜き射ちの竜(赤木)とライバル?コルトのジョー(宍戸錠)が敵対しながらも最後は意気投合して暴力団を壊滅させて行くお馴染みのストーリー。4作目ともなると設定がかなりこなれてきて、赤木と宍戸の掛け合いが楽しい一編。
『刺青一代』は鈴木清順の異色仁侠映画。(この人が作ると何でも異色になっちゃうね。)ストーリーは平凡なのだが、ラストの殴り込みシーンは清順美学炸裂で、襖がパタパタ落ちて来たり、相手を斬ると空の色が変わったりと相変わらずよく分からない奇妙な作品。
今回、20年ぶりに上板橋駅に来たのだが、例によって場所の記憶がない。毎度の事だが、1〜2回来た程度では20年経つと忘れちゃうんだよなぁ。廃館していると、捜すのに苦労するよ。常盤通り沿いにあった靴屋の前で70歳近い店主?が水撒きをしていた。尋ねたらアッサリ教えてくれた。それが上の写真である。廃館した正確な日は不明だが、15〜16年くらい前になくなったらしい。
オイラにとっては天気の良い休日に静かな街で楽しい映画を観られた、そんな思い出の劇場である。
上板東映劇場 詳細データ不明
1980年代廃館
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