第2帖
日活コルトが火を噴くぜ!!

 

 

テレビや映画の劇中で使用される銃をステージガンと言うそうだ。日活アクションといえば拳銃が欠かせない。日活映画で使用されたステージガンの中で最もポピュラーなのは写真の銃である。
 コルト32オートマチック。この銃は日活アクションで頻繁に登場した事から通称、日活コルトと言われている。写真の銃は77年〜78年頃にMGC社から発売されていたモデルガン。現在は製造中止になっているというから、結構貴重品なのかな?

当時、6500円くらいだったと思う。ABS樹脂で出来ていて、弾に火薬を込めて撃つとガス圧でスライドがブローバック(自動排莢)して薬莢が飛び出す。本物と同じ動きをするモデルガンでした。別売りのサイレンサー(消音器)も買ったんだけど、どこかへ行ってしまった。捨ててはいないから押入れを探せばあると思う。サイレンサーを付けた日活コルトといえば、『拳銃無頼帖 明日なき男』でコルトの譲が使用している。「昼間にハジキをぶっ放す時はこういうのを使わないとね。」なんて言っていたっけ。(この映画の譲は1Fの自動車修理工場の騒音とシンクロさせて撃つという神業?を見せてくれる。)
 映画で使われた日活コルトは真ん中の写真と違ってスライドは固定されていて動かなかった。電気着火式とかいうやつで引き金を引くと弾(花火)が火を噴くというシロモノ。

宍戸錠が雑誌(雑誌名忘れた。)のインタビューで語っていたが、当時、一発の弾の値段が結構高くて、リハーサルの時は、口で「バン!」と言って練習した。おまけにセトモノのような素材で出来ていて落とすと割れてしまう。そこで錠は早撃ちの練習をする時は床に座布団を敷いてやったそうだ。さすがはエースのジョー。世界早撃ち第3位というコピーの裏にはこんな努力があったのネ。

 

 

 

3枚目の写真がコルト32オートのパッケージ。中央には裕次郎、その隣には念仏のマサ(宍戸錠)がいる。左の赤いシャツを着ているのは赤木圭一郎。その上にはギターを持った小林旭。他には『独立愚連隊』の加山雄三や佐藤充の姿も見える。この銃は日活のみならず、他の邦画会社でも広く使用されていた事がわかる。このモデルガン、発売当初のチラシによると、64年頃、MGC社では実銃と同じようにブローバックモデルのステージガンを試作した。

 

チラシによると『赤いハンカチ』で使用されたそうなのだが、出てたっけ?(何度かビデオで確認したのだが、この映画では日活コルトは出ていない気がする。二谷英明の持っていた銃はコルトガバメントみたいだし・・・)ブローバックする日活コルトは『太陽への脱出』で使用している。しかしこのブローバックモデルのステージガンは撮影中に破損して、これ1本きりの出演で終わってしまったらしい。
 このモデルガン、結構気に入ってました。大きさも手ごろだし、デザインも良いと思う。ブローバックの動きも軽快で、分解掃除もやりやすい。良い銃でした。何と言っても日活アクションで使われた銃。この銃を持つと、気分は抜き射ちの竜かコルトの譲でした。部屋の中で独りで悦に耽ってたなぁ。とても人には見せられない「恥ずかしいポーズ」で構えてみたりして・・・・ガハハ。
 オイラは十代の頃、ガンマニアだった。マニアといってもそれほど詳しい訳ではなかった。現在も出版されている『月刊GUN』誌を読んだりしてたけど、歴史や構造みたいな難しい事は退屈だから真面目に読まなかったナ。そうそう・・・巻末の懸賞クイズに一度だけ当たった事があります。1等賞は国際産業製の『コルト44オートマグ』だった。でもオイラの当たったのは3等?4等?の拳銃の写真パネル。これはもうどこかへ行ってしまった。恥ずかしい思い出デス。何れにせよ、日活コルトは名銃です。