第30話 また一つ、消えます
新宿昭和館

 

 

 

 

新宿昭和館、東京近郊の東映ヤクザ映画ファンにはお馴染みの劇場。他の邦画サイトでも取り上げられているしファンも多いので、改めて語る必要などないだろう。それにオイラはここについて語れるほど通ってはいない。70年代後半頃に『新幹線大爆破』と『動脈列島』だったかな。それと『遊戯シリーズ』のどれかを観ただけだ。これらは『文芸座地下』でも観ているからその辺の記憶とゴッチャになってしまってどうもハッキリしない。とにかく1〜2度しか来ていないし、昭和館では日活映画を観た経験がないからここで取り上げるのは適切ではない。
 しかし今月、2002年4月30日に建物老朽化のため閉館と聞いてこれは書かなくて!と思いました。ここの内部に関しての記憶は無い。たしか『新幹線大爆破』の時は混んでいたと思う。日曜日、当時中学生だったオイラはクラスの友達(誰と行ったかも憶えていないのヨ。)と観に行った。当時はキチンと記録を取っていなかったから日付等全く分からないのだが、混んでいたけど運良く座ることが出来て映画を観たと思う。『新幹線・・・』は周知の通り傑作である。混んでいたけど良い映画を観られた。そんな記憶だけはある。たしか夕方からの上映を観たので表に出たら外は暗くなっていた。当時は真面目な(気弱な)中学生だったからあわてて家に帰ったっけ。
 『遊戯シリーズ』はここで観たかなぁ?どうも分からない。とにかくここに来たのは1〜2度。昭和館マニアの方が読んだら「トーシロがエラそうに昭和館を語るな!」とお怒りになるだろうな。ゴメン!!(って謝ってしまう弱いオイラ。)
 この辺は歓楽街なのだが歌舞伎町ほど無法地帯という感じがしない。実態はどうなのかは知らないが近所にニコヨン相手?の簡易旅館が数軒残っているためか街を歩く人の顔ぶれは浅草的な感じである。それでも新宿駅東口からオシャレなプレイスポットの南口へと続く街にこの昭和館の建物は異質である。でもこの一角だけはノスタルジックな雰囲気を感じさせるから好きだなァ。

昭和館の横にはポルノ専門の昭和館地下がある。真ん中の写真がそれである。もちろん?オイラはここには入ったことがない。この昭和館近くには下の写真の新宿名画座があり、ここもポルノ専門館。AV時代の現代では時代錯誤的なシロモノだが、こういうポルノ映画館こそいつまでも残っていて欲しいヨ。日活映画は時々しか上映しなかったし、いずれも浅草新劇場で観た作品ばかりだったので、昭和館ではついに日活作品を観る事はなかったが無くなるのは本当に残念!昨年、高田馬場の早稲田松竹も閉館してしまった(現在は復活)。映画館で映画ってホント観なくなった。街の小さな映画館、無くなるのは時代の流れなのか。

昭和20年代にオープンしたというから50年の歴史を誇るこの劇場も今月いっぱいでオシマイ。さらば新宿昭和館。昭和館よ永遠なれ!!!

 

 

新宿昭和館データ
東京都新宿区新宿3-35-13
03−3352−2471
座席数 291
2002年4月30日閉館