ウルトラマンJOA!!
大晦日に観てきた映画『URTRAMAN』。面白かったデス。面白かったけど、この作品は30代後半以上のオタクには支持されないと思う。何故ならこの作品は「昔ウルトラが好きだったお父さん」のための映画だからだ。ウルトラマン(別所哲也)はクライマックスで敵のビーストと空中戦で戦い、敗れそうになる。その時、別所は同化しているウルトラマンに問う「俺はどうなるんだ?」ウルトラマンが答える。「みんな消える」。その時、別所の意識に息子や奥さんの姿がよぎる。余力を振り絞ってビーストを倒す。別所哲也は元航空自衛隊F15パイロット。愛妻・裕木奈江@懐かしい!との間には病弱な幼い息子がいる。息子のために死と隣り合わせの生活から足を洗い、民間航空会社(何と!星川航空)に就職するのだ。マイホーム主義ここに極まれり!!ホントこれはお父さんの映画だ。パンフレットを見ると、大人向けに作ったそうだ。ハリウッド映画では『スーパーマン』『スパイダーマン』が大人に支持されているのに、日本ではヒーロー物は子供向けにされてしまう。だから大人も納得のものにしたそうだ。
確かに今回のウルトラマンはハードでリアル志向だ。TV放送中の『ネクサス』もそうだから、これは現・円谷プロ社長・円谷英明氏の趣味か?イイんだけど、このマイホーム主義は勘弁して欲しい。つまりこれ「お父さんは強いんだ!」って言いたいの?アメリカ人じゃないんだから、止めろよこういうの。オイラはJOA王者・・・オタクなんだよ!!オタクってのは扶養家族はいないし、モテない&持てないんだよ!!生殖の為の体液交換してくれるメス一匹ゲットする事ができないオスの負け犬なんだよ。そんな野郎にアットホームな感覚は理解不能。仮に理解したとしても嫌味にしかならないのだ。まぁ同じオタクでも20代〜30代前半なら、まだ夢持ってるから通用するかもしれないが。
今回のウルトラマンは特撮も良好。展開もキチンとしていて大人向けなのは確か。逆に子供には退屈だったと思う。でもこれ、どこかで観たような気がしないでもない。ハリウッド映画に無かったっけ?そう考えると、今回のヒーローは別にウルトラマンである必要性はない気がします。 ちなみに別所哲也の働く会社・星川航空の社長・草刈正雄の役名は万丈目!他の社員は一平と由利子。ここまでやるとやり過ぎ!
ところで今回の作品はウルトラマンである必要はない、というのは、
1・従来のパターンと違い、いつもの防衛チームが出てこない。
2・子供のために自衛隊を辞める(闘いのステージから降りてしまう)。
3・ウルトラマンの着ぐるみも従来のものとは違い、どこか生物的。ちなみに敵ビーストはエイリアンっぽい。
ざっと考えてもこの3点が思い浮かびます。それに今回の作品は『ウルトラマン』ではなく、『URTRAMAN』なのだから「ウルトラ」である必要はないと思います。パンフを読むと、『URTRAMAN』は子供だけではなく、「ウルトラ」を卒業した大人をも視野に入れているようです。この手の作品って作るの難しいと思います。完璧に子供向けにすると、本当に「くだらない」ものになってしまう。逆に本格的な作品にすると『ガンダム』みたいになって、オタクは付いて来るけど肝心の子供が観なくなる。どちらにすれば正解なのか?製作側からすれば、数字が取れてキャラクター商品やソフトが売れて儲かれば正しい、と言う事なのでしょう。しかしどちらの路線で行けば売れるのか見極めが難しい。昔、雑誌『宇宙船』コラムで「子供騙しは子供も騙せない」と、名言を書いた人がいました(誰だか忘れた)。だからあまり子供向けにしないで、多少は大人っぽくしないと・・・ウルトラセブンが今も高い評価を得ているのはこのため。しかしあまりに「大人」・・・「マニア」向けにすると、ネクサスのように失敗してしまう。この辺の見極めはホント難しいですな。
どんなに面白いものを作っても、オイラは「ファミリー向け」は認めません。何故なら、オイラはJOAの不動&無敵の王者だからです(笑)。だから愛とか家族とか言われても無縁&理解不能なのです。感情移入すら出来ません。ついでに子供も大キライなのです(きっぱり!)。だからヒーローものに子供や家族は出して欲しくないし、アットホーム&ファミリーを前面に出して欲しくない。
話が思いっきり飛びますが、『ネクサス』放送開始した時、オイラは「臆病者の国ニッポン」と記述した事があります(青春市街戦参照)。世間の連中・・・いや堅気の皆さんはアットホームな繋がりが至上のものだと考えている。世のお父さん方は昼間、家族を守るために額に汗して働いている。曲がった事にも目をつむり、嫌な奴にもペコペコ。奥さん、子供と平凡だが波風立たせずに平和に暮らすために働いている。でもね、本当は違うんじゃないの?そりゃ家族のためもあるけれど、本当は波風立てる度胸がないだけじゃないの?嫌な奴に喧嘩売られても買う度胸がないだけじゃないの?本当は戦う度胸も実力もないのを誤魔化すために、「強さは愛だ!」とか「優しさから強さへ!」とか言っているだけじゃないの?精神的にも肉体的にも、強くなるためには、普段から鍛えていないとダメだと思います。もちろん鍛えた体をいつでも使えるように覚悟をしていることが大前提。
10年位前だったかな。『格闘技通信』誌で某有名空手選手が「刀は常に研いで鞘の中にしまっておくもの。」と語ったのを読んだ事があります。もちろん研いでおくだけでなく、イザという時に抜ける覚悟をしていなければ研いだ刀も無用の長物です。今の日本人にはこの覚悟がない。だから外人にナメられる(石原慎太郎も昨日の仕事初めで都庁職員に似たような事を言っていた・・・慎太郎はキライだから、一寸複雑な心境)。そんな覚悟がないのを認めたくないから、誤魔化すために、ファミリー志向、マイホーム主義に走るのでないか、と思ったりしてしまうのです。もちろんこれは女や世間に相手にされないオタク野郎の戯言なのでしょう。ハイ、スイマセン(と謝ってしまうオイラは、一番覚悟のない弱いオタクなのです)。
怪獣映画の対象をどこに設定して作るのか・・・それは製作側の勝手だと思います。前述したように、どこに設定してもヒットすれば良い。売れれば勝ちだから。但しそれを受け入れるか、お金を払って良いかを決めるのはお客さん。納得できなければ・・・つまらなければ観なければ良い。お金を落とさなければ良いのです。ヒーローものでは「はどぼいるど」な闘いが観たい。だからセックス描写があっても構いません。かつて「戦うトレンディドラマ」、としてオタク界で一世を風靡した『鳥人戦隊ジェットマン』。ホレたハレたで1話終わってしまう。お義理程度に変身して戦う話があったりした。セックスシーンこそ無いモノの、ヒーロー物初の!(マウス・ツー・マウスによる)キスシーンまであったし。あれなんかは製作側は子供ではなく、その親を対象にしていたとしか思えません。パンチラシーンよりもアザトイ(笑)。でも後日談をビデオ化したり、関連商品が出たから一応はヒットしたと思います。
今回の『URTRAMAN』は別所哲也がマイホームパパだという点を除けば、良い作品だったと思います。特撮も良好、永澤俊也との友情はカッコ良かった。裕木奈江と遠山景織子が久々に観られたのもラッキー。防衛庁が協力だからF15のシーンもナカナカです。きっちり作ってあったから、オイラ的には及第点です。それからこの『URTRAMAN』続編が予定されているそうです。別所哲也が変身する純粋な続編か、それとも違うのかは分かりません。
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