第20話  試験前日に行きました。
目黒区守屋教育会館

 

守屋教育会館は東急東横線祐天寺駅から線路沿いを学芸大学駅方向へ10分ほど歩いたところにある。閑静な住宅街の中にある4F建ての公共施設で図書館が隣接、1Fには郷土資料館。2F〜4Fには研修室の他に物理や化学の実験室がある。
 オイラが来たのは1978年10月15日(日)、4Fの視聴覚教室で『あゝひめゆりの塔』
を観ている。この日は高校の中間テストの前日という絶好の映画日和?であった。16日〜18日まで試験だったのだが、どうして毎度毎度、試験前や試験中に映画やるのぉ〜!当時はビデオもそれほど普及していなかったしCS放送もない時代。映画館やこの手の自主上映を逃すと2度と観ることができない・・・のではないかと思われた。

だから上映があると何を差し置いても駆けつけなければならなかった。どちらにしても基本的に勉強出来ないしキライだから一夜漬けで勉強しても無駄なのだが、気の弱いオイラにとって試験中に映画を観に行くのはチョイトばかり度胸が要った。昼からの上映だったので朝、自宅を出た。祐天寺駅から人影の少ない街を歩いたのだが、初めて来た所なので土地鑑も無いし心細かった。写真の建物は当時のままなのかは記憶にない。学校の視聴覚室みたいな部屋での上映会で『ぴあ』の自主上映のページに載っていたのだが、客は15〜20人位いたかな。映画の出来は青春大全集での通り。暗闇の中で涙をポロポロ流してしまいました。でもこの映画、戦争中の女の子たちの話だけど、吉永小百合をはじめみんなメンコイのは嘘だよなぁ。そんな事あるわけ無いもん。でもそれを言ったら映画は成り立たないネ。

←こんな建物だったのか記憶にない。上映が終わったら真っ直ぐ家に帰って勉強しました。結果はまたまた惨憺たるもの。でも落第せずに卒業できたのだから、まぁ良いかな。(とはいっても高校時代の成績は卒業試験に落ちて補習&追試でやっとこさ卒業という有り様でした。)
 ところで祐天寺という街は青春残酷物語で書いたヒトミさんが独身時代に住んでいた街だった。もちろん何処に住んでいたのかは知らない。しかしこの街にかつてオイラの憧れていたヒトミさんが住んでいたのか。今回、写真を撮りに行ってチョットしみじみしちゃいました。駅から歩いている時、「この道をあの人も歩いたのかな。」なんてセンチな気分になっちまったよ。
あ〜あ、オイラは独りで何をしているのやら。

 

 

目黒区守屋教育会館データ
東京都目黒区五本木2−20−17
TEL 
03−3715−1531