第12話   新劇場、再び・・・・・

続・浅草新劇場

第1話に続いて、再び浅草新劇場である。

 今回はオールナイトを観に行った。2000年10月7日(土)、観た作品は『赤道を駆ける男』。この映画、10数年前に一度観ているのだが、若林映子が出ていたのと海外ロケした事、何よりあんまり面白くなかった事しか記憶になくて、肝心の内容はすっかり忘れていた。新劇場でやっているのをネットで知って、良い機会だから再見しようと思ったのだ。新劇場で映画を観るのは17〜18年ぶりである。しかもここでオールナイトを観るのは初めてだ。日曜日にでも観に来ようかとも思ったのだが、孤独なオタク野郎のオイラは土曜の夜はいつもサビシク過ごしているので思いきって行く事にしたのだ。映画館に上映時間の問い合わせのTELをした。おそらくいつも売店にいるオバちゃんであろう人が電話に出て時間を教えてくれた。『赤道を駆ける男』は1度目は22時半から、2度目は3時半から上映するそうだ。オイラは22時半の回を観に行く事に決めた。終了は零時を回るだろう・・・・・終電は過ぎているからバイクで行こう・・・・・オイラは土曜の夜に出撃した。
 かつて自転車で通っていた道を今、バイクで走っている。何だかセンチな気分になっちまうぜ!(って誰の真似だよ。)。22時ちょい過ぎに浅草に着いた。昔のように国際通り沿いにバイクを留めた。イタズラされたら困るから派出所の正面に置いた。しかしちょっとビックリした。土曜の夜だというのに開いている店はゲーセンとパチンコ屋だけ・・・オイオイ、まだ22時だゾ。天下の六区映画街がこんな閑散としていて良いのか!?でも来る時通過した上野もそうだったから、下町は夜が早いって事だろうなぁ。歩いている人影も少ない・・・夜中の2時、3時って感じだね。新宿みたいな不夜城とは大違いだ。映画館もオールナイトをやっているのは新劇場と浅草東宝だけ。これでは人も歩いていないのも分かるな。さて新劇場であるが、昼間は800円だが夜間は1000円になる。自販機で切符を買って中に入る。ロビーや階段はもちろん、客席も煙草の匂いと煙で充満していた。禁煙を守っている人間など一人もいない。2階のロビーの隅には新聞を敷いて寝ているオッサンが3人いた。今夜はここを宿にするのだろうな。宿賃1000円なら簡易旅館で寝るより安いもんね。客席は8割方、埋まっていた。当然の事だが、客は全員ニコヨン風のオッサンばかり。映画が始まってもまともに観ている奴なんかいやしない。みんな寝てるよ。オイラは昔の様に後ろの通路で立ち見した。数年前に改修した劇場だが、やっぱり汚いんだよね。客のほとんどは前の座席の背もたれに足をかけるから、座っても嫌な思いをするだけだ。映画は0時15分頃、終わった。ホモの痴漢にも襲われなかったから良しとしよう。他に2本上映するけど、お目当ては『赤道を・・・・』だからオイラは劇場を出た。
 来る時は開いていたパチンコ屋も既に閉まっている。ゲーセンが1軒だけ開いていた・・・・・1時まで開いているようだ。オタクのオイラはゲーセン大好きです。最近はあんまりやらなくなったけど、バーチャファイター全盛の頃は弱い癖にやりまくっていた。中を覗いたけど、結局何もやらないで帰ったよ。バイクで自宅に帰って、カップラーメンをビールで胃に流し込んで歯磨いて寝た。サタデーナイト(死語!)だって言うのに何やっているんだろ・・・・・トホホ。

 

浅草新劇場
毎週土曜の夜はオールナイト上映
入場料1000円