第21話 マニア向けの小さな劇場
ACTミニシアター (西早稲田)

 

ACTミニシアターは高田馬場と早稲田の間にある、その名の通りのミニシアターで40人も入ると超満員という感じの小さな劇場である。高田馬場駅から早稲田通りを早稲田方向に歩く、明治通りを越して5分ほど歩くと左側にある写真のビルの2Fにある。1Fが郵便局、通りの反対側にはディスカウントストア『ひまつぶし』がある。中は座席ではなく座椅子。劇場というよりも雑居ビルの一室という感じ。1980年前後に今村昌平の映画?を観に何度か来た気がするのだが、どうも良く思い出せない。手帳に付けていた記録ではっきりしているのは1997年3月10日(月)に『けものの眠り』を観に来ている事だけだ。この時ACTでは鈴木清順特集をやっていた。『けものの眠り』は過去、千葉テレビや池袋『文芸座』で観たのだが、あまり面白くなかった事もあり細かいストーリー等、良く憶えていなかった。

 

 

なかなか観る機会のない白黒の小品なので、仕事が終わってからバイクで出撃。たしかこの時は上映時間よりも30分以上早く到着した。『けものの眠り』の上映時間はこの日の最終回PM8時30分から、最終回の一本だけだと入場料が割引きになるのを窓口で聞いて近くで腹ごしらえして時間を潰すことにした。明治通り近くのラーメンチェーン店『天下一品』でドロドロの濃厚スープのラーメン&チャーハンを食べた。噂では聞いていたがホントにドロドロだ。オイラは脂ギトギト派なので結構美味しく食べられた。チェーン店だから都内のいたる所にある。機会があったらまた来よう。しかし夜、独りで時間潰してラーメンすすっている自分の姿は何だか哀れだね。(悲笑)
時間が来たのでACTに戻った。郵便局のキャッシュディスペンサー脇にある入り口。(写真下参照)この階段を昇って2Fにある。

 

 

平日の夜おまけに無名の旧作ということもあり、客はオイラの他に1人〜2人しかいなかった。狭い客席だが空いていたので楽な姿勢で観る事が出来た。20数年前に来た時は満員で室内が人いきれで息苦しいくらいだった。満員といっても元々会場のキャパシティ自体が低いので大した人数ではなかったのだが、とにかく身動きが取れない状態で座布団に座っていても腰や背中が痛くて映画観るのがツラかったのを憶えている。
 ここは映画マニア(おたく)のための劇場だと思う。実際、『ぴあ』でも自主上映の欄に掲載されているし上映される作品もマニア向けの旧作ばかり。しかしそういう作品を定期的にかけてくれる数少ない場所、貴重だと思う。いつまでも健在でいて欲しい。と思ったのだが現在ACTミニシアターは閉鎖?休業?状態で活動を停止している。ビルの案内板にはまだACTと書いてあるのだが、どうなっているんだろ?


ACTミニシアター・データ
東京都新宿区西早稲田3−14−2
早稲田通りビル2F
席数・40
料金・一般¥1,500、学生¥1,300
TEL 03-3083-9756
現在、活動停止中